"Entrée" behind-the-scenes⑥バルバラ
【用語解説】
バルバラとは、キリスト教が禁止されていた3世紀に信仰したことで塔に閉じ込められたニコメディアの聖バルバラのこと。塔には、三つの窓があったとされる。
バルバラが拷問された際、手折った枝から花が咲いたという逸話から、ドイツの一部ではクリスマスに枝・麦によって占いが行われる。それぞれバルバラの枝・バルバラの麦という。
—僕”と彼女は、あまりにも遠すぎた。
国境を越えたら、いつだってお別れさ。
かぐや姫より残酷で、でも、かぐや姫よりロマンティックにも思えたんだ。
麦のような彼女と、土のような”僕”。
今は、ちょっと乾いているかな。
【コメンタリー】
“彼女”とは、一体どのような人物なのか。
『Entrée』においては、”僕”目線から”彼女”との出来事を捉えた曲が多いので、”彼女”の出自や人柄について言及した曲は少ない。
そんな中で、「バルバラ」は”彼女”の人となりや、内包された人間くささが唯一あらわになった曲。
「ゴヴィンダ」で、異国の空気を吸った”僕”が、味覚がおかしくなるほどのある別れによって、聖バルバラに重ね合わせた”彼女”への想いをファンタジックに吐露している。
「首飾りとアースガルド」で、羊飼いの袖を引っ張っていた”僕”は、
「バルバラ」では羊飼いを振り切って走り抜けている。
さよならの後は、走るしかない。
白い薄絹をまとったバルバラも、そう言ってる。
時代が変わっても、僕らの愛は変わらない。
さよならは、永遠の別れじゃない。
さよならは、永遠の愛の誓いなんだ。
※本楽曲は、Bryan Associates Club時代、ライブのみで演奏していた「白昼夢のカサブランカ」が原曲。
BRIAN SHINSEKAI - バルバラ(1st Album『Entrée』収録)
https://open.spotify.com/track/4pNu7IaMya2JnWSUz5FjgP
2018年、ビクターよりメジャーデビュー。シンガーソングライター/トラックメイカー。愛猫カールをこよなく愛す。ベイスターズと北欧料理に励まされるピアノマン。◆新曲「三角形のミュージック」MV→https://youtu.be/hKb500zLQCE