俺、バイクを買う、の巻。
学生の頃ヒッチハイクで旅に出たのが俺にとって初めての旅だった。
ダンボールに”東へ”とだけ書いて雨に打たれようが何だろうがたった二千円だけ持って進めるだけ進んだ。好きなものなんて食えないし宿なんて当然泊まれる訳がない。ただこの時も色んな人に助けてもらった。乗せてやれないけどパチンコ勝ったからこれ持ってきな、と言って五千円をくれたおばちゃん、廃棄の弁当をくれたコンビニの兄ちゃん。これ日本の話だぜ、ひっくり返るだろ?
旅というものに心惹かれて5年、先日久々に本州最北端の地を目指して車で旅に出たんだ。旅自体は最高に楽しかった、本当に。だがしかし達成感はまるで無かった、目的地に着いた時も”あ、ついたか〜。”みたいな笑
そりゃ車使ったらそうっすよねー、乗ってるだけでいいし、雨風凌げるし、ナビあるし、宿にもなるし、エアコン効くし。もう全然ダメ!俺が旅に求めているのは苦労して苦労して苦労して苦労して、やっと辿り着いた時のあの感情。達成感ってやつを求めているわけよ。
で、思いついたのがバイク、何よりカッケーじゃん。今までバイクに興味を持った事は何度かあるけれどうちの母さんバイクに関しては鬼厳しくてね。だからまずは母さんを説得する所からはじまるんだけど、これがまあ大変だった。全身刺青男の写真見せて「バイクがダメなら俺こんな感じにしちゃうよ!」とか訳の分からん事を言ったり、ストレートに土下座したり。最終的には「俺は絶対に死なん。」と言い放ち無理やり言いくるめた。母さんごめん。
そうと決まれば次はバイク屋選びだ。バイクに関しては全くの無知なのだがどうやら俺が気に入ったバイクのスタイルは”カフェレーサー”というカスタム仕様のものだった。評判の良いカスタムショップをあちこち周り辿り着いたのが”バーバラホビーサイクルズ”というカスタムショップ、まず店名が気に入った。
俺の希望の車種で好みのカスタムをするとどうやら80万〜100万弱かかるらしい、完全にナメていた。高いすね、バイク。けどどうしてもバイクが欲しい。
50万以内で欲しいとごねたら店主からまさかの一言。
「僕が昔乗ってたの乗ります?あれ。」
店主が差した指の先にはもうホント文字通り埃まみれのバイクが。話を聞いてみれば愛着があって手放せなかったみたいだ。車種はヤマハのルネッサという物。俺が欲しかったものとは多少違うけれどこれはこれでカッコいい、、エロい。
「おいくらで譲ってもらえるんですか?」
と恐る恐る聞いてみるとまさかのタダ。拍子抜けしたわ、三回くらい聞き直したと思う。ただ人に渡すとなると色々とやらないといけない整備があるようで整備代とカスタム代など諸々40万になった。当初の半額、えぐすぎマジで大感謝。
という訳で現在納車待ち、また経過報告しようと思います。