黒人と主婦の霊歌

突然子育ての話になってしまいますが。子育てに入ってから私の音楽活動は止まりました。年子で無計画に生んでしまったので楽器など弾ける状態ではなくなりました。朝起きてから続く洗濯と食事の用意とオムツ替え、哺乳。３６５日24時間休みなしの無報酬勤務。「睡眠」と言うより「気絶」に近い眠り方でした。それを何年も繰り返してるうちに「これは何かに似てる」と感じました。それは綿畑でわたつみをする労働。黒人がその労働の辛さに歌を歌って苦痛を和らげたところから「黒人霊歌」→ブルースが生まれました。私は無報酬・過酷労働の中でブルースの魂を知ったのです(オムツ替えながら)

いつ終わるとも知れない毎日。子供が可愛いゆえの守りの体制。誰も助けてくれない制度。過重労働。そして私は倒れました。十数年を経て健康を取り戻し子供が手が掛からなくなり音楽の世界に戻れた時は「人間解放万歳」と言う感覚。その間に私は「クラシック少女」からオールドブルースを聴き歌う人間に変わってたのです。世の中の自力で子供を育てて疲弊してる人はみんなブルースの心がわかる人。介護してる人も。過酷な無報酬、休みなし、重労働。それをやったらブルースは歌える様になる。ブルースってそう言う音楽でしょ？お金かけて高いギター買って音楽教室で習ったブルースと比べてみたらわかるかも〜(ああ、嫌味)