DJ系二次元コンテンツは音楽好きオタクへの福音となるか?
この記事は音楽が好きだから二次元アイドルが好きなオタク向けに、最近何かと話題のDJ系二次元コンテンツがどんな楽曲を提供してくれそうなのか、また、それぞれのDJの意味の違い、その本質的価値や価値提供構造、楽しみ方や期待ポイントを考えていこうという記事です。
こんにちは!テンアゲなアニソン大好きすぎて、DDJ-400でアニソンをつなぎながら夜な夜な一人で叫んでいるはるさめです。
最近、ブシロードの「D4DJ」や、バンダイナムコエンターテインメントの「電音部」など、”DJ”を題材にした新IPが次々に発表されていますね!(この2つしか知らない笑)
ようやくオタクコンテンツを司る大企業様がダンスミュージックの魅力に気づいてくれたか!という感じで(たぶん昔から気づいてたけど)、胸熱なコンテンツがこれからどんどん供給されるのかと思うと、居ても立っても居られませんね(DJの腕磨かないと!)
2020秋現在、それぞれのコンテンツはコロナの影響で、アプリや現場など、実際に私達ファンが参加できる段階には至っていなさそうです。音源やオンラインライブ等が発表されているのみかと思います。(ちがったらごめんなさい。)関係者の皆様の心中お察しします。(本当はリリースパーティとか色々計画されてたんだろうなと想像してます。)
しかし、両者ともに精力的に認知獲得に奔走しており、最近は、車内広告やYou Tubeなど、何らかの露出に毎日触れている気がします。(丸の内線ユーザー並感)どんどん期待感が増していきますね!
そんなフロア熱狂!開幕前夜の今!!両者のコンテンツを、音楽が好きだから二次元アイドルが好きなオタク向けに、それぞれどんな楽しみ方ができそうか、事実に基づいたり、基づかなかったり、比較したり、比較しなかったりしながら期待と希望を勝手に書いていこうと思います。
声優やアイドル、キャラ自体が一番好きだ!という方はこの記事の対象外です。音楽が1番、声優やキャラは2番という人のみ続きをご覧ください。お楽しみに。
基本的に各HP上の情報と私の憶測で構成していきます!
やっぱりいちばんの期待は良質な音楽の供給!音楽好きの二次元アイドル好きが"きっとハマる"楽曲の数々
私は以前、音楽が好きだから二次元アイドルが好きな人は、一体どうやってコンテンツを楽しんだらいいんだ?ということについて記事を書いたように、そのたぐいの人間です。
その中で、そういう人たちって、自分の好きな作曲者や編曲者がある程度決まってくるのではないか?という仮説を述べました。
趣味でDJをしていると、自然と作編曲者に目が行き、好きな曲調と作編曲者がむすびついていきます。無数に存在する曲の中からお気に入りの曲をdigるとき、作編曲者名は鋭いindexとなります。
「電音部」ではそんな、みんなが大好きなコンポーザーがフルラインナップで参加!発表の際の興奮は今でも忘れられません。アイマスゆかりのコンポーザーから新進気鋭のkawaii future baseコンポーザーまで、選りすぐりばかりです!
現在発表されているコンポーザーについて詳しくはこちらのHPで。
もう本当に、なんでこのリストは私の好きなコンポーザーの一覧と同期してるんですかね全く。もはや私が人選したんじゃないかと思うくらい、全員大好きなコンポーザーの方々ばかりです。
現在(2020.10)でもすでに、アキバエリア、ハラジュクエリア、アザブエリアの3地域のDJユニット(?)が発表されており、それぞれのareaの特色に沿ったキャラクターの、特色に沿ったおしゃおしゃサウンドが楽しめます。spotifyなどの各配信で聞けるようなのでぜひ聞いてみてください。たまげます。
アキバエリアはこれまでのアイマスやラブライブのような「アイドル」的なかわいさや楽しさを全面に押し出しているような構成で、実際コンポーザーも、チュパカブラの佐藤貴文さんや一級ホテル建築士のイノタクさん、tell your world のkzさんやネオンライトのTemplimeさんなど、おしゃれカワイイイレクトロニックの最高峰がすでにすてきな楽曲をたくさん発表されています。(最高)
イノタクさんはまたとんでもないエモを建築されてしまいましたね。SAX最高。
この他、ハラジュクエリアではmoe shopやYunomi、Snail's HouseやNorを迎え、裏原(ウラハラ)的なサイケカワイイlolipoppinなやばい楽曲がすでに発表されており(脳が震えました)、アザブエリアでは、tofubeats やパソコン音楽クラブなどのメジャーコンポーザーを迎え、港区おしゃれ上級国民的なmelowでgroovyでfunkyなmelodic tech houseっぽい(???)すてきすぎる楽曲が発表されています。
これから数年、大好きなコンポーザーたちが、本気でエレクトロ・ダンス・ガラージュサウンドを目指して作曲したものが適期的に供給されるのですから、アニクラ現場は沸騰間違いなしですね!本当にいい時代になりました。
一方「D4DJ」はこれまでの「アニソン・アイドルソング」の枠を超えることなく、「ノれるEDM調のアニソン・アイドルソング」として楽しむのに良い楽曲が揃っている印象です。シンフォギアなどで有名なElements Gardenの上松さんやZAQさんなど、実力派コンポーザを抱え、良質なアニソン・アイドルソングがたくさん供給されることになりそうです!
「D4DJ」HP上のスタッフ欄には、総合音楽プロデューサーとユニットごとの音楽プロデューサーを配置しているとの記載があり、キャラクターの個性やユニットのストーリーに沿って、キャラを表現していくことを重視する曲作りが目指される予想です。
こうして見てみると、私の勝手な思い込みかもしれませんが、「D4DJ」はキャラやストーリーテリングを主軸としたこれまでのアイドルコンテンツに近く、「電音部」は楽曲・コンポーザーを中心とした新しいコンテンツ作りをしているといった違いがあるように感じられます。どうしてでしょうか?次の項ではコンテンツ作りの構造からその違いを探ってみます!
両コンテンツにおけるDJ性の違いとは??
その答えは簡単で、そもそも提供されるコンテンツの構造が全然違うみたいですね。
「D4DJ」はブシロードがこれまで得意としてきた、生演奏や生歌の「臨場感」に価値を置く、「声優」ライブエンターテイメントを中心とするメディアミックス作品であり、D4DJにおける「DJ」とは、バンドリの「バンド」、レヴュースタァライトの「歌劇」にあたり、メディアミックス作品のストーリーの主軸としての扱いのようです。
実際に声優がDJをし、その場で生歌を披露するなど、臨場感あふれるライブエンタメが楽しめます。また、ガルパで味をしめたのか(褒めてます)、カバー曲展開もするということなので、ライブ中のボーカルは、もしかしたらずっと歌って踊ることになるかもしれませんね。
ナナシスの楽曲等もすでにカバーが決まっているらしく、王道のアニクラアンセムがほとんど声優の生歌で楽しめる、そういった価値を提供してくれそうです。
この際注意したいのが、ここで言うDJとはTRFのDJ KOOやセカオワのDJ LOVE、もっといえば、ハロハピのミッシェルであり、一人で多くの曲をmixしてフロアを踊らせるような、いわゆるクラブ的なDJではない、ということです。
おそらく、D4DJの今の所公開されている楽曲のほとんどが、EDM調のアニソン・アイドルソングであることは、このことが原因かもしれません。
もちろん、今後尖ったクラブ的な楽曲が公開されたり、声優が一般的なDJのように幅広い楽曲を使用したDJをする可能性も十分に考えられますが、その場合歌わない声優がDJをしながらいかに観客をentartainするのか、というとてつもない難題を解決する必要が出てくるように思われます。
そうなったらそんなに声優の人数いりませんよね?
そのため、声優がクラブ的なDJ一人でフロアを踊らせるDJをすることがたまにあったとしても、メインコンテンツはこれまでの声優アイドルであって、そこにちょっとした添え物としてDJがある程度になる可能性が高いと考えられます。
そんなコンテンツに必要な楽曲はもちろんアイドルソングです。よって、EDM調のアニソンもしくはアイドルソングがほとんどを占めることとなっているのだと考えられます。
もちろんアイドルソングで、きっとハマる曲は登場するでしょう。これまでもそうでした。しかし、クラブ的なサウンドは期待できないかもしれません。
一方で、「電音部」がどのような形態のコンテンツになるのか、まだ公開されている情報が少ないのでなんとも言えませんが、初回の発表パーティからしてコンポーザー自身がDJを行っており、その演目構成からわかるとおり、こちらはいわゆるクラブ的DJを目指していることがわかります。
というのも、御存知の通り、数年前までの世界中でのEDMブームを牽引したAviciiやDavid GuettaといったDJも結局はコンポーザーであり、自身の曲の人気がそのままDJの盛り上がりにつながるという構造でした。
つまり、コンポーザーがDJをする、というのは当然、クラブ的文脈において最も強い訴求力を持つDJを意味しているのです。そもそも、すでに発表されている楽曲からも、クラブ的DJを目指しているのは一耳瞭然ですね。
両者の提供価値の違いまとめ
以上をまとめますと、「D4DJ」はこれまでのEDM系アニソンと声優パフォーマンスを、楽曲カバーという引用方法を駆使することにより、夢の共演を実現させ、アニクラのDJを声優アイドルの生歌に置換することに成功したライブエンタメ、というコンテンツであり、もう少し詳しく説明すると、これまでの二次元アイドルソングに度々含まれていたEDMが、アニクラなどでクラブソングとして楽しまれている現状から、そのEDMを踊るという楽しみ方を、これまでの二次元アイドルコンテンツに逆輸入し、そこで楽しめばいいじゃないという価値を提案しているということです。
その本質的な提供価値は、これまで二次元アイドルコンテンツの現場にあった、騒ぎたい、というオタクの切実な思いが、これまでアニクラでしか実現できなかったものを、声優アイドル現場にその場を設けた、というところにありそうです。とんでもないもの生み出してくれましたね社長!
一方「電音部」は、すでに実力の認められたコンポーザーを多数抱え、彼らを全面に押し出しながら、よりクラブ的文脈に即した楽曲作りを推進しています。実はこれは、D4DJの直面した歌わない声優DJの訴求力なくない?問題というものを楽曲の力で克服しているコンテンツだと言えると思います。
そういう意味では、「D4DJ」への楽曲の期待度は、これまでの二次元アイドル楽曲への期待度と同様のものになりますが、「電音部」の楽曲は一曲一曲が相当なハードル(その問題)を超える必要があるために、より、音楽としての期待度が高まる感じがします。
ただ、「電音部」の詳細なコンテンツの仕組みは未だ発表されていませんが、本当に「楽曲とそのコンポーザー」だけの力でこの歌わない声優DJの訴求力なくない?問題を克服することができるのか、気になるところです。
実は、YouTubeの露出の一つに、技術解説編があり、この動画で、今後の展開の若干のヒントがあったように思われます。
ここで解説されている技術bana diveXとは、どうやら、AIでDJmixをし、その楽曲データのアナライズ結果に合わせてキャラがDJしている映像やVJができるとのこと。
ここで、にじさんじからVTuberが電音部に参加している謎が解けました。DJしているキャラは裏に声優がいれば、それはもはやVTuberですよね!
ここからは私の憶測ですが、もし、こうしたクラブ的DJを何らかの形でコンテンツとして提供される際は、そうしたキャラによるDJで音楽を楽しむ(しかもしゃべる)コンテンツになるということが予想されます。
もちろん、その仕組の応用先はライブエンタメだけでなく、ゲームや動画配信、音楽配信サービスやカーナビシステム、有線館内放送といったさまざまに考えられますので、一概には言えないことも事実です。
また、ライブ中の次の楽曲投票など、積極的な観客参加のシステムが考えられるとのことで、VTuber的キャラDJやVJなどを駆使し、クラブ的DJの文脈に沿いながら先の問題を克服するべく努力されていることが窺い知れます。
まとめると、「電音部」はクラブ的DJの文脈に即して、アニクラの体験価値をそのままサービスとしてアップデートして提供することに主軸が置かれ、そこにキャラやストーリー、声優といった背景を肉付けしながら参加型体験コンテンツを目指していきそう、ということがわかるかと思います。
同じDJを扱っていても、全然別物のコンテンツだ、ということですね。音楽をコンテンツの主軸に見ている我々からすると、「電音部」はついに我々の心を鷲掴みにするために現れた、我々のためのコンテンツ、ということになりそうですね。
キャラについての希望
しかし、ここで気になるのが、「D4DJ」がこれまでの二次元アイドルコンテンツであり、主なターゲット層はラブライブやバンドリの層とほぼ同じであって音楽をコンテンツのメインとして見ているわけではない顧客層を対象とし、「電音部」が我々のような音楽をメインコンテンツとしてみている顧客層を対象としているはずであるのに、キャラクターについては、いまのところ「D4DJ」は大学生がいて、それなりに大人な感じがしますが、「電音部」は高校生の部活という枠を超えない、というキャラ設定になっていて、すこし幼い感じがします。私だけでしょうか。
年上だった園田海未に恋した私はすでに社会人です。
もちろん、高校生がドチャクソどぎついbrostepだったりdnbだったり、deep houseだったりtechnoをプレイしてくれるとまじでギャップで好きになりそうですが、大人もいてくれるといいなと思います。売れないんですかね?
あとは、キャラがそれぞれ好きなダンスミュージックの専門ジャンルがあって、そんな曲ばっかりDJしてくれるようなコンテンツがあってくれるといいなと思ったりもします。
黒髪ロングの白Tホットパンツのドチャクソ体型ドエロいお姉さんキャラがDeep House専門のDJやってたらそれだけでドエロいとおもうんですが、どうですかね(性癖)
他にも小生意気な低身長金髪ツインテール八重歯娘が、ビッグシルエットのスウェットTと黒スキニーとキャップとスニーカーのストリートな感じで、funkyでgroovyなhiphop専門のDJやってくれてたりすると、死ぬほどカウィいと思うんですが(性癖)
それぞれのキャラが好きなダンスミュージックのジャンルがあって、お互いがお互いの曲ジャンルを好きになっていくことを通して、お互いの理解を深めていき、関係性を強めていくてきな百合百合ストーリーも考えられますし、そのほうが面白そうじゃないでしょうか??
電音部のバンナムさんだけでなく、SMEさんやAvexさん、Cygamesさん、そんな大人向けDJ二次元コンテンツ、作っていただけませんかね???笑
楽曲についての希望
「D4DJ」はEDM調のアニソン・アイドルソングが、「電音部」はコンポーザーのそれぞれの特色が全面に押し出されたボーカル・ダンスミュージックがそれぞれ期待できそう、ということで、期待はますます高まるばかりです。
今の流行りで行くと、lo-fi hiphopやCITY POPといった若干チルめの染みる曲だったり、hiphop、reggae、tecno、dubstep、dnb、house、ユーロビート、 jazzやfusionなど、まだまだ挑戦されていないジャンルがあると思いますので、どんどん挑戦していってほしいなと思います。
「電音部」はKMNZとコラボしないのかな??さすがにDeNAとバンナムは競合でしょうか。ORESAMAやm-floのTaku Takahashiさんなども参画してくれると嬉しいなと思います。
終わりに
これまで、電音部の楽曲がめちゃめちゃ期待できる!ということをいろいろ語ったわけですが、世界中のEDMブームが静まった?今、なぜ日本でDJコンテンツが勃興をはじめたのでしょうか。
そんな事を考えていると、ある過去の伝説的なディスコのことを思い出します。生まれるだいぶ前の話ですが。
バブルの象徴とも言われたジュリアナ東京はまさに、電音部のアザブエリア?の芝浦にありました。
(そういえば、アザブエリアの東京タワーが見えるキービジュは桜田通りの三田(芝)から赤羽橋方面を見る構図で(通学路だったので毎日見てましたが)麻布関係なくね?と思って調べてみると、どうやらアザブエリアは港区と品川区の一部の新区画らしく、そしたらジュリアナのあった芝浦もアザブエリアなのかもと思い上のように書きました。ただ、品川区まで含める、ということはどちらかというと目黒駅方面、すなわち白金高輪や白金台の方にエリアが伸びているということなので、芝浦はもしかしたら範囲外かもしれません)
お立ち台で有名なジュリアナ東京はたしか91年~94年だったはずで、バブルのピークは89年~90年ぐらいだったと思いますので、バブルはとっくに弾けたあとに、景気の後退局面に気づかないまま、いや、気づいていたからなおのこと、踊っているしかなかった感じがしていつも思い出すたびに哀愁にかられています。
幕末にもええじゃないかが流行ったりと、一つの時代の終わりには、日本人は踊って忘れる習性がどうやらあるようです。
2018年から景気の後退局面に入ったとの見方が強まるなか、その2年後の今、現代のジュリアナとして、このDJコンテンツが出てきた気がします。
「D4DJ」のユニットではMerm4idという大学生のドチャシコユニットが一番私の好みですが、ライブではなかなかきわどい衣装とディスコな踊りを披露しており、心にぐっと突き刺さりました。
みんな疲れちゃったんです。
でも、たのしければいいじゃないんでしょうか。
それはそれ、これはこれです。
一緒にコンテンツを盛り上げていきましょう!