LOG6 憧れの地の空気を感じるその日まで ドイツミュンヘン・オクトーバーフェスト
大学生のとき、第二外国語を学ぶのが必須でドイツ語を選んだ。周囲のほとんどが中国語かスペイン語を選択するなか、少人数が好きな私はクラスの人数が少ないであろうドイツ語を選んだのだ。フランス語はとても難しそうだし、ただそれだけの理由で。
名詞にも男性、中性、女性と性がつくドイツ語もやっぱり難しく、当時ドイツ語自体はあまり身につかなかったけど授業はとても楽しかった。
ドイツ人の女の子留学生が来て交流したり、NHKでドイツ語番組を担当していたというドイツ人の先生が料理コーナー企画してくれたり、学期末には大学近くのドイツ料理店や横浜赤レンガのオクトーバーフェスト（ビールのお祭り）にも連れていってくれた。
そのおかげで私はドイツが大好きになり、いつか絶対ドイツを訪れようと思ったし、本場のオクトーバーフェストにも必ず行こうと心に決めていた。
ビールよりソーセージよりオクトーバーフェスト
代々木や横浜赤レンガオクトーバーフェストに行った人は分かるかもしれないけど、あのテント内で繰り広げられる特有の高揚感ある雰囲気がたまらなく好きで、期間中には何回も足を運んだ。（異常に高いビールも頑張ってバイト代で賄った）
見ず知らずの人とも一緒のテーブルを囲えば「乾杯（Prost！）」で繋がり、音楽に合わせて輪になって踊ったり、心からみんな楽しんでいる様子を見ているだけで心が踊った。
「本場はどんな感じなんだろう」想像するだけで夢が膨らんだ。
ドイツに向け離陸
私が仕事でミュンヘンへ飛び立ったのはもう6年前の9月末。ちょうどオクトーバーフェストが開催されている時期だった。
大袈裟だけど、私は仕事でミュンヘンに行くのがひとつの目標だった。
ついに仕事でミュンヘンに、しかもオクトーバーフェストに行ける日がくるなんて。
ドイツに向け飛び立ち、地面が離れていく様子をみて少しだけ感慨に浸った。だけどこんな私情は周りに言えないので、こっそり胸にしまって通常通り仕事をした。
あの瞬間の気持ちは今でも忘れられない。
想いがあればいつか巡ってくるものだ。
本場のオクトーバーフェスト
約12時間のフライトの末、着いたのは現地の夕方ごろだった。ホテルでの休憩をはさまず、一緒いくクルーたちとロビーで待ち合わせて電車に乗って街へでた。
駅につくとすでにお祭りの浮き足立つ雰囲気があった。
少し道なりに歩くといくつかの大きなテントで分かれている。すでに人がいっぱいで、入れるテントを探した。大きな移動式遊園地が設営されてあり、夕焼けと夜のあいだの空に浮かぶ観覧車がとてもきれいだった。
(この時はもうすっかり夜）
テントに入ると熱気ある雰囲気と溢れる人々に圧倒された。そして男の人も女の人も民族衣装を着ている。男の人はハーフパンツのオーバーオールにチェック柄のシャツというスタイルで、女の人は胸の部分がざっくり開いたチュニック調のワンピースだ。着こなせる自信はないけど、とても可愛い。
ビールを頼むと顔より大きいビールジョッキを6個ぐらいまとめて女の人が持ってきてくれた。パワフルだ。ビールは美味しそうに輝いていた。
「Prost！（プロースト）」と乾杯をして、大きな塩気の効いたプレッツェルとソーセージでビールを流し込んだ。こんな機会が訪れたことに感謝だ。
今年も中止となったオクトーバーフェスト
1810年からミュンヘンで行われているオクトーバーフェスト。開催期間は10月の第1日曜日を最終日とする16日間で9月半ばから開催される。毎年約600万人が訪れるそうだ。
去年と引き続き、今年もコロナの影響でミュンヘンのオクトーバーフェストは中止となった。
来年は開催されるだろうか。開催されたとしてもきっと今までと違うニューノーマルの中での開催となるのだろう。
時代は予測不能に変わりゆく。
行きたいと思った瞬間が最適な旅のタイミングの場合もある。だけど私のように時期が来たら巡ってくる、ということもある。
今はみんな我慢の時期。旅に行きたくてうずうずしている人もたくさんいるだろうけど、違うタイミングでそのときが訪れるだろう。
自由に国を行き来し、憧れの国の空気を吸える日が、早くくるといい。
本日のお土産
レーベンブロイ
オクトーバーフェストで一番飲まれているビール。口当たり良くキレがいいまろやかなビール。
老舗ダルマイヤーの商品
Dallmayer（ダルマイヤー）はミュンヘンにある老舗高級食材店。「王室御用達」としても重宝されている。
ドラッグストアのオーガニックコスメ
ドイツの街中に点在するdm（ディーエム）というドラッグストアにはオーガニック系のコスメやボディケア用品がお手頃に売られている。コスメキッチンでよく見るWeleda、安く売られているので買い込む人多数。