愛を訳したら拠り所になった
あなたなら「I LOVE YOU」をどう訳しますか。
コピーライターであり作詞家の、阿部広太郎さんが講師となってコピーライティングについて教えてくれる新コースが女性向けキャリアスクール「SHElikes(シーライクス)」にて開講した。
ライティングに興味がある私は、開講当日さっそく受講をし始めた。
講座自体は1レッスンだけなのだけど、実際にコピー脳を鍛えるワークが出てくるので内容は深かった。
さすが言葉を扱うプロなだけあって、コース中も何かを説明するだけなのに、印象深く刺さる言葉がたくさん出てくる。
コピーとは言葉で人の力になる仕事
無意識を意識化するのがプロ
成長の鍵は無意識に手を出した回数
なるほど…プロとは偶然できたものを連発するのではなく、意識的に繰り出せる人のことを言うのだ。
例えばプロの料理人は、素材のよさを最高に引き出し毎回おなじものを提供できてこそ、一流なのだ。
この講座では、コピーを”意識して繰り出せるようになること”を目的としている。そのために阿部さんが考案した、繰り出すためのヒントとなるワークシートも用意されている。
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そこで、冒頭のお題だ。
「あなたならI LOVE YOUをどう訳すか」というワーク。
かの有名な夏目漱石は、こう解釈したという。
「月が綺麗ですね」
夏目漱石は、愛を”共通するもの”と捉えたようだ。人と人とに共通認識やモノコトがあれば、そこに愛は生まれるからだ。なるほど。
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私も自分なりに「そもそも愛とは何なのか」を考えてみた。
私が思う、愛を感じる瞬間は思い返せば「言葉」からではなく「行動」から示されたときに感じるものだった。
例えば海外へ行く予定もない両親が、私が留学に行く前パスポートをこっそりつくっていてくれたこととか(何かあったときのためにすぐ駆けつけられるように準備したらしい)、彼が冬場の雨が降りしきる中、自分も寒いだろうにコートをかけて家まで送ってくれたこととか、そんな瞬間に、私はいつも心を動かされた(めちゃくちゃ些細)。
つまり、どれだけ自分のことを想ってくれているのか。その頻度や深さを想像して、温かい気持ちになったとき、私はすごく愛を感じる。
自分視点で言うと、ふとした瞬間に「今なにしてるかな」「こんなとき〇〇だったらこう言うんだろうな」とかいつの間にか想像していていること。
それが私にとっての愛だ。
つまるところ、自分の拠り所なんだと思う。
愛という定義は、なんとなくみんな同じで共通しているものだと思っていた。
だけどよく考えれば一言で愛といっても、それぞれ重要度や愛するとか愛されたりを感じる場面は異なる。そんな当たり前のことに気付かされた。
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解釈は、人それぞれに違うからおもしろい。
心に響く場面、言葉、行動、これらぜんぶひっくるめてコピーはやっとやっと、つくり手から我が子のように、生み出されるものなんだなと思った。