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夏の雨とペルセウス座流星群のこと

お盆の時期、静岡の天気はくずれがちだ。例年10日前後に行っている花火大会は雨天により延期になることが多く、今年は時期を早めて8月1日に無事開催された。

夏の夜を彩る風物詩といえばペルセウス座流星群。2024年は月の満ち欠けのタイミングにも恵まれ、数年ぶりの好環境とのこと。夜は多少雲に覆われはしたが、2日間にわたり流星を見ることができた。

しかし毎年の記憶を遡ると、ペルセウス座流星群の時期は悪天候に阻まれ、満足いく鑑賞ができたことが少ないように思える。雲に覆われて星ひとつ見えない年もあれば、雨のため外に出ることすらなかった年もある。

学生時代の夏休みは土砂降りに追われて高校に避難した。武道場の広めの軒下で友達とトランプや怪談話をしながら、わずかな晴れ間を狙って流星を探したことを覚えている。

散歩中、急な雨にて雨宿り

夕立、神立、白雨、黒雨、涼雨……。夏の雨を表す言葉は雨脚の強さや時間帯に応じていくつも存在している。雨に対して繊細かつ多彩に解釈を与えた古人の感性は鋭い。

夕立の雲もとまらぬ夏の日のかたぶく山にひぐらしの声

式子内親王、新古今和歌集

入道雲がもりもり盛り上がっているところに、黒雲が雷をともないざっと大雨。かと思えば嘘のように晴れて青空をのぞかせる。夏の夕立が見せる一瞬一瞬のあざやかな変化には、夏の美が集約されていると思う。

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