【Midjourney】を使って宇宙が舞台のSFを作ってみた!!
〈midjourney〉を使ってボイスコミックを作ろう!
の企画もついに最終作品となりました。
作者から真鍋博さんのイラストみたいな二次元のがいい
という要望があったのでチャレンジしてみたのですが……
それっぽいのがなかなか出来ず大変でした。
レトロな雰囲気のある二次元イラストということで
作ってみました。
動画に使用されたイラストは30枚。
Midjourneyには300枚くらいを作ってもらってました。
それでは完成動画とシナリオから紹介していきます。
もちろん恒例の使われなかったイラスト集もありますよ~。
〈完成版の動画〉
〈シナリオ〉
ユワンの夢
かれこれ3か月はたつだろうか。いや、4か月か、もしかしたらもっとかもしれない。
愛する妻と娘のためにも、一日も早くここを出たいが、しばらくは無理だろう。
共に避難してきた十数名の顔からは、いずれも疲労感が見てとれた。
きっとオレもひどい顔をしているにちがいない。
「知っての通り備蓄食料には限りがある。全員生還のため、今日から配給量を半分にする。みんなで頑張ろう!」
リーダーがやけに気合いの入った声でそう宣言すると、あちこちから不満があがった。
当然だ。ただでさえ少ない配給で飢えをしのいでいるのに、これ以上減らされたら、冗談抜きで命を落とす者も出てくるだろう。
「さあ、少ないけど食べなさい」
ユワンは、なけなしの食料を妻と娘に差し出した。
「えっ? 食欲がないからオレが食べろって? ダメだダメだ、昨日もそう言って食べなかったじゃないか」
妻と娘の体調が優れないのが気がかりだ。
しかし、2人を守りきるためにも今オレが倒れるわけにはいかない。
ユワンは人目につかないよう、3人分の食料を口に放り込んだ。
事態はさらに悪化していた。
食料は枯渇し、一人、また一人と衰弱し、死んでいった。
幸いなことに、ここには高度廃棄物処理口がある。
いらない物はなんでもここから出してしまえばいいのだ。
たとえそれが死人であったとしても。
おかげで残された者たちは腐敗臭に悩まされることもなく、平穏に暮らせている。
ついに、ユワン一家と数名だけが残された。
「おい! その女と娘、生きてんのか?」
ある者が気づいた。もう何日もユワンの妻と娘が声を発していないことに。
「ずっと体調が悪いんです、でも心配にはおよびません」
ユアンはできるかぎり丁寧に答えたが、彼らを納得させることはできなかった。
「あやしいな・・・・・・顔を見せろ!」
ユワンは必死に妻と娘を抱きしめ守ったが、相手は力尽くでそれを引き剥がした。
ゴトッ
もみ合いの中、妻が倒れた。
誰もが息を飲んだ。
妻は精巧にできた人型ロボットだった。
そして娘も・・・・・・
ここは子どもと女性、その家族が優先で入れるシェルターだった。
ユワンは生き残るため、全財産をこの母娘ロボットにつぎこんだ。
会話は最低限にとどめ節電を心がけていたが、数週間前に電池が切れた。
体調の悪いフリでごまかしてきたが、ついに発覚してしまった。
残された食料はごくわずか。そのときが来れば飢え死ぬだろう。
それでも、ユワンはまだあきらめていなかった。
思えば、隕石衝突で地球滅亡が目前に迫ったとき、
火星移住計画に参加できたのは全人類の1割だった。
ユワンは隣人、友人、恋人、家族をおしのけ、裏切り、姑息な手を使ってその席を獲得した。
そうして生き残り、火星生活に慣れてきたのもつかの間、謎の人食い植物が大繁殖し、人間を食い尽くした。
命からがら火星から脱出する移動型シェルターに入った。
ここで死ぬわけにはいかない。
自分だけは、自分だけは・・・・・・!
ユワンは高度廃棄物処理口から出された。
遠のく意識の中でもなお、ユワンは自分のことだけを考えていた。
宇宙をゆらゆら、ゆらゆら彷徨いながら。
終
〈使われなかったイラスト集〉
続きまして、惜しくも使用されなかったイラストを紹介するコーナーです。
個性豊かなイラストがたくさんできましたので、
お楽しみください。
・シェルター
ユワンとその家族が暮らすシェルターの外観です。
色んなデザインができました。
シェルターは丸や四角など
様々な形のものができました。
どれも魅力的で、どれを使うか非常に悩みました。
・居住区
続いてシェルター内の居住区です。
寝る場所、廃棄物処理場、廊下、などなど
世界観を考えつつ作りました。
一本の作品として、イラストに統一感を求めるのは
なかなか難しいです。
画風がちょっとでも違うと違和感になりますしね。
そういう意味でもイラスト選びは大変でした。
・ロボット
猫型……いや、人型ロボットが登場するのがこの作品。
人間そっくり、なんて表現が出てくるので
二次元イラストとしてどう表現するかがポイント。
ということで、今回はここまでです。
ボイスコミックシリーズとして
AI〈midjourney〉を使った動画7作品を作ってきました。
とってもとってもと~~~っても大変でした(笑)
短い制作期間の中で、たくさん妥協し
眠れぬ夜を過ごし
どうにか形にしてきました。
でも大変だったと同時に楽しかったのもまた事実。
今後も〈midjourney〉を使って色んな企画を考えてますので
乞うご期待!!!
ってことで今後も何卒よろしゅうお願いします。