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今更ギルティクラウンという作品について語る。

とりあえず、まずはネタバレを含むので知らない人は見ない方がいいですと言っておく。 

次に、自分はギルティクラウンが好きな人間だが、嫌いな部分も沢山ある。だから、今回は本当に好きな人からしたら見ていて不快になる内容が含まれると思う。注意して欲しい。

ということで、ギルティクラウンについて語っていこうか。
この作品、世間的な評価で一番有名な異名は「綺麗なゴミ」だろうか。
作画、音楽、声優陣と非常に恵まれながら、あまりに酷い物語性故にそう揶揄されている。
けれど、自分はこの作品が好きだ。ちゃんと見て、総評として好きだ。

しかし、今回作画や音楽について語るつもりは無い。EGOISTが素晴らしいとか、澤野弘之の劇中歌にはハズレがないとか、梶裕貴の声がいいとか、茅野愛衣は美少女が似合うとか、そんなことは分かっている。今更言うまでもない。

今回語りたいのはストーリー展開だ。分析という程では無いし、所詮感想に過ぎないとは思うが、ひとつの意見として語らせて欲しい。

とりあえず、この作品で嫌いなキャラをあげていこう。
まずは颯太。言うまでもない、お前はダメだ。祭を殺したのはお前だ。お前は救われなくて良かった。なぜお前が生きている。言葉を尽くす必要は無い。見るのも語るのも嫌だ。

次は集(最終盤は除く)だ。お前はいつまで悩んでいる。いつまで一般人面してる。覚悟を決める機会があったのに何度逃げた。見ていてストレスが溜まる一方だ。

それに祭の件の後、覚悟を決めたと思ったら結局見ていて痛々しいじゃないか。視聴者的にお前を見ていて楽しくない、苦しいだけだ。それに行動指針があまりにも他人任せだ。主人公として自覚をもて。最終盤まで巻き込まれたような態度で、悪い意味で主人公らしくない。
周りの意見に反対するような態度をとるくせに、大して確固たる理念を持っている訳でもない、それも嫌だった。

さて、ここまで見てくれれば分かると思うが、この作品を悪くしている理由の7割以上は集だと思っている。

しかし、良い点もある。彼は、最終盤では本当に主人公らしい振る舞いをする。整えられた舞台の上でこれ以上にないパフォーマンスを繰り出し、恐らくあの場面だけを見れば、この作品は「神アニメだ」と言えるであろうレベルの完璧な主人公をまっとうする。

自分の決断をできなかった主人公が、自らの意思で他人の痛みを背負い、そして文字通り命を背負って戦う覚悟を決める。まさにキャッチコピーの「友達を武器に戦う」通りだ。
ギルティクラウンはこの瞬間のために全てを作り上げてきたのではないか、と思える程に全てが噛み合った展開であった。

主人公の能力が「他者のウイルスを引き受ける」ことであることがようやく明かされたことも良い展開であるし、今まで名前呼びであった義母を母親と認識したことも、(ベタな展開ではあるが)彼が輝くための舞台を作り上げるのに一役買っている。

もっとも、それを補ってあまりあるほどに今までの主人公の振る舞いがストレスを生み出し、この作品の評価を地に落としていると感じてはいるのだが。このレベルとまではいかないが、それなりのカタルシスをもう少し頻繁に出して欲しかったものだ。
(そもそも上手くいっていなかった集が、祭の死で闇堕ち後も上手くいかないのは、さすがに飽きる。飽きるというか、ストレスだ。)

満足してしまったので今回はこの辺りで終わる。また気が向いたら続きを語るかもしれない。


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