高橋昌裕(BRAVEYELL)

経営コンサルタント。BRAVEYELL(株)の代表取締役。前職A.T. カーニー時代から通算してコンサルタント歴20年。「ザ・地銀」「ゴールベース法人取引」など、地銀に関する本を3冊執筆。地銀へのコンサルティングや研修が主活動。https://braveyell.co.jp/

高橋昌裕(BRAVEYELL)

経営コンサルタント。BRAVEYELL(株)の代表取締役。前職A.T. カーニー時代から通算してコンサルタント歴20年。「ザ・地銀」「ゴールベース法人取引」など、地銀に関する本を3冊執筆。地銀へのコンサルティングや研修が主活動。https://braveyell.co.jp/

最近の記事

新年のご挨拶とCWO(Cheif Waku-waku Officer)(地銀向けニュースレターVol.57)

新年のご挨拶新年あけましておめでとうございます。 本ニュースレターは、発行開始から5年目に突入しました。発行間隔が不定期極まりないこのようなものですが、お会いした際に「見てるよ」と話題にしてもらえるのはとても嬉しいです。 さらに、発行を重ねるにつれ、メール等で頂戴する感想の数が増えてきました。また、「行内で配布したい」と連絡をいただくことも何度かありました。アポをとったうえでの会議や電話と違い、一方的に発信(送付)しているものではありますが、皆様とのコミュニケーションのキ

    • ER(Employee Relations) for ER(Employee Retention)(地銀向けニュースレターVol.56)

      多くの「変化」が起きている近時の地方銀行は、以前よりも多くの「変化」が起きているように見えます。新組織の立上げや組織改編、特徴的な人事、戦略レベルの取捨選択、新たな商品・サービスの導入、前例のない施策の実施etc…。役職員の方から直接「変化」を教えてもらうこともあれば、間接的に業界紙誌の記事を見て「変化」を知ることもありますが、いずれにしても「変化」の数は増えていそうです。 結果として、地域特性や県内順位、こだわりなどによって、銀行ごとの特徴(らしさ)がでてきたのは望ましい

      • 支店長の「高校教師型」化(地銀向けニュースレターVol.55)

        検討のキッカケにニュースレターでは、本心から「こうしては」「こうあってほしい」ということを書いています。しかし、今回はそこまで信念を持ったものではありません。「可能性を拡げるための検討のキッカケ」になればいいな、という思いで投げかけます。 「高校教師型」投げかけるアイデアは、支店長の「小学校の先生型」から「高校教師型」への転換です。 現在の支店長は「小学校の先生型」です。小学校では、担任の先生が、クラスに関わる責任を負っています。国語・算数・理科・社会等、ほぼ全ての教科を

        • 期間限定企画のご案内~本を読んで共通言語化~(地銀向けニュースレターVol.54)

          「言語化」7月~9月にかけての計8日間、今年も、地銀協主催「経営企画研究講座」で講師を務めました。各行企画部門等の中堅層を対象とした研修です。 この講座のなかで、私は受講生に「言語化」することを意識してもらいました。 定義が曖昧な“一般用語”レベルで、それらしく浸透している言葉は、多くあります。「地域社会への貢献」「総合サービス業」「お客様本位」「コンサルティング」etc… どれも、否定する余地のない言葉です。しかし、このレベル感のままだと、何をすべきか・何をすべきでない

          新入社員から学びを得よう(地銀向けニュースレターVol.53)

          新⼊社員・大学⽣との接触今春、いくつかの地域⾦融機関・企業で、新⼊社員研修をやらせてもらいました。また、大学の⾦融イノベーション論の講座で特別講義をする機会も頂戴し、例年以上に若者と接しました。 私事ですが、上の⼦供は今年社会⼈1年目、下の⼦供は大学2年⽣で、研修・講義をした若者たちと、ぴったり同世代です。「自慢話は嫌われるから、絶対にしないように」という⼦供からの的確なアドバイスを胸に、親が⼦を⾒守るような目線で、例年以上に優しい気持ちをもって研修・講義を⾏ったのは⾔うま

          新入社員から学びを得よう(地銀向けニュースレターVol.53)

          理想を掲げるから変革ができる(地銀向けニュースレターVol.52)

          4か月半ぶりの発行Vol.51の発行から、4か月半が経ちました。この間、何名かの方から「無事か?」のご連絡をいただいてしまい恐縮です。春以降、全国の地方銀行への「出張」仕事が復活の傾向にあり、おかげさまで対面+オンラインの双方で、ややオーバーペース気味に仕事をしていました。 もちろん、OFFの日もあります。しかし、3年前から始めたアマチュア無線にのめり込み、OFFの日はニュースレターの“更新”ではなく、無線の“交信”に時間を割いてしまいました。 理想よりも低い目標を掲げて

          理想を掲げるから変革ができる(地銀向けニュースレターVol.52)

          ビジネスプランコンテストを人材育成に最大活用(地銀向けニュースレターVol.51)

          ビジネスプランコンテストが増えてきたここ3年くらいで、ビジネスプランコンテストを実施する地⽅銀⾏が増えたように感じています。新たなビジネスは「活⼒」となるため、素晴らしいことです。 さて、そのビジネスプランコンテストですが、応募の対象者によって、2タイプに分けられます。 1)対外的なコンテストとして、外部の企業や学生などが応募してくるもの 2)⾏内のコンテストとして、⾏員が応募してくるもの 両者を実施している銀⾏も、いずれかのみ実施している銀⾏も、はたまた実施を検討中の

          ビジネスプランコンテストを人材育成に最大活用(地銀向けニュースレターVol.51)

          良い商品を勧めている自信をもとう(地銀向けニュースレターVol.50)

          運⽤系商品の提案をうけた2⽉〜3⽉にかけて、期末営業目標の追い込み時期だからか、⽴て続けに3つの⾦融機関(メガバンク1+地⽅銀⾏2)の⽅から、運⽤系商品の提案をうけました。 私は、2000年にソニーの株を、忘れもしない10,000円/株で買って以来(2012年には700円台/株にまで⼤暴落。2020年ついに10,000円まで回復。持ち続けていて良かった)、20年以上にわたって株・投資信託・外貨預⾦などの運⽤には手を出しています。そのため「自分でいろいろとやってきているので、

          良い商品を勧めている自信をもとう(地銀向けニュースレターVol.50)

          先行きPositiveと捉える人を増やしたい(地銀向けニュースレターVol.49)

          また発⾏間隔が空いてしまいました前号から3か月半も空いてしまいました。相変わらず、新型コロナは下火にはなっていませんが、いまのところ罹患することもなく、オンラインでの対応を中心に、コンサルティングや講演・研修等を元気にやっています。 「現状・先⾏き」の⾏員による⾃⼰認識本題に⼊ります。以下の図は、約2年前、ニュースレターVol.26「やるべきことを、やり尽くした結果か︖」で掲載したものです。地⽅銀⾏(⾃⾏)の「現状」と「先⾏き」についての認識を確認するもので、今でも講演や研

          先行きPositiveと捉える人を増やしたい(地銀向けニュースレターVol.49)

          新年ご挨拶& 地域⾦融機関の明るい兆し(地銀向けニュースレターVol.48)

          新年のご挨拶新年あけましておめでとうございます。 本ニュースレターは、ときに発⾏が2か月空き、3か月空き、4か月空きと不定期なものとなっています。昨年、4か月空いた際には、ある地方銀⾏の役員の方から「発⾏がストップしてるけど、体調でも崩したのか︖」と⼼配の連絡までもらってしまいました。 こんな不定期なものでも、発⾏するたびに感想を頂戴し、久しぶりにお会いした際には話題にしてくださるのが、嬉しくてたまりません。 創刊から4年目に突⼊しますが、すべての回でヒントをお伝えでき

          新年ご挨拶& 地域⾦融機関の明るい兆し(地銀向けニュースレターVol.48)

          組織風土・企業文化の変革をするには(地銀向けニュースレターVol.47)

          目にする機会が増えてきた今年(2021年)の半ばすぎまで、⾦融関係の紙誌には「DX」という単語が溢れていました。時には、業界紙のすべてのページに「DX」の文字があるのでは、という勢い(流⾏)だったのが印象に残っています。 年末となったいま、当時の「DX」ほどの露出には遠く及びませんが、「組織風土・企業文化の変革」について目にする機会が増えた感があります。発端の⼀つには、例のみずほ銀⾏の⼀件があるのでしょう。しかし、事故やトラブルが発生していなくても、⾃⾏の将来に向けて「守る

          組織風土・企業文化の変革をするには(地銀向けニュースレターVol.47)

          手形貸付の残高が減っている(地銀向けニュースレターVol.46)

          貸出⾦の科目別残⾼を⾒てみたVol.43「『企業アンケート調査の結果』を⾒て考えたこと」では、コロナをきっかけとして、銀⾏と企業、特に債務者区分の低い先との接点が増えたようだと書きました。あわせて、ゼロゼロ融資を、既存のメインバンク「以外」が対応したケースも少なくないようなので、誰が責任をもって企業サポートをしていくのか、サポートの譲り合い(逃げ合い)が起こらないかが心配、ともコメントしました。 今号では、2020年度末の貸出⾦の科目別残⾼の実績をもとに、ゼロゼロ融資で何が

          手形貸付の残高が減っている(地銀向けニュースレターVol.46)

          メガバンク体験から考える地銀店頭窓⼝の方向性(地銀向けニュースレターVol.45)

          メガバンクでの個人的な体験個人的な用事で、時折、⾃宅の最寄り駅にあるメガバンクを利用しています。今号は、そこでの体験から、地⽅銀⾏の店頭窓⼝の⽅向性について、考える材料を投げかけます。 嬉しかったこと最初に、私の体験をお話します。今春、次⼥の⼤学⼊学⾦の振込手続をしにメガバンクに⾏きました。その時の流れは、次のとおりです。 ・番号カードをとり、呼ばれるまで待つ ・呼ばれて窓⼝へ⾏き、振込用紙と現⾦を渡す ・手続の間、椅子で待ち、呼ばれて窓⼝に戻る ・振込用紙の控を受け取り

          メガバンク体験から考える地銀店頭窓⼝の方向性(地銀向けニュースレターVol.45)

          早期離職する若手は「健全な人材」!?(地銀向けニュースレターVol.44)

          若⼿の早期離職が増えている 「若⼿の早期離職が増えている」という話をよく聞きます。採用難のなか、ようやく確保した人材が早期に離職をしてしまうのは、痛⼿なのは間違いありません。今回は、このテーマを掘り下げてみます。 なお、やや刺激的なタイトルにしたので、最初に補足説明をしておきます。けっして「地銀業界に居続けるのは不健全」という意味でも、「早く辞めるべきだ」という意味でもありませんので、誤解ありませぬよう。 何がやりたいか分からないまま就職 私は、新卒で生命保険会社に入社し

          早期離職する若手は「健全な人材」!?(地銀向けニュースレターVol.44)

          「企業アンケート調査の結果」を見て考えたこと(地銀向けニュースレターVol.43)

          「企業アンケート調査の結果」⾦融庁から、今年も「企業アンケート調査の結果」が公表されました(8月31⽇)。それを⾒て考えたことを3つ書きます。 顧客接点の復活 コロナをきっかけとして、銀⾏と企業、特に債務者区分の低い先との接点が増えたことが、アンケートP.14(=図1)からうかがえます。具体的には、資⾦繰り⽀援にとどまらず、経営改善⽀援サービスも受けた割合が、債務者区分の低い先ほど⾼くなっていました。「⽇本型⾦融排除」と言われ始めた頃と比べると、大きな違いです。 【図1】

          「企業アンケート調査の結果」を見て考えたこと(地銀向けニュースレターVol.43)

          もっと気軽に実行(行動)を(地銀向けニュースレターVol.42)

          実⾏⼒を⾼めたい 今年も地銀協主催「経営企画研究講座」の全体統括をしています(*)。 (*)本講座は、BRAVEYELLとしてではなく、A.T. カーニー(株)のアソシエイテッドコンサルタントとして受け持っています 講座では、若⼿〜中堅の 企画担当者に、基礎的スキルとなるロジカルシンキングに始まり、⻑期ビジョンや経営計画の策定⼿法をグループ演習も交えて学んでもらいます。 また、講座の後半では「実⾏⼒を⾼める」ための方策も受講生と一緒に考えていきます。 私が本講座を受け持

          もっと気軽に実行(行動)を(地銀向けニュースレターVol.42)