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SmarpriseがBrave groupとの経営統合を決めた背景とは【代表対談】

2024年2月1日、株式会社Brave group(以下、Brave group)との経営統合により、グループの一員となった株式会社Smarprise(以下、Smarprise)は経営統合を機に、売上を昨対比約2倍に伸ばし、公式グッズ・ライセンス商品専門サイト「colleize」の会員数が35万人を突破するなど、大きな成長を遂げています。さらに同年7月には、Brave groupと共同で海外向けグッズ販売事業「Brave stores」を立ち上げ、積極的なグローバル展開を行っています。
急成長の背景には、どのような熱意があったのでしょうか。

今回は、Brave group代表取締役CEOの野口 圭登とSmarprise代表取締役の五十嵐 健の対談をお届けします。


一緒になることを全く予想していなかった、2020年の初対面

野口:五十嵐さんと初めて会ったのは、社名が「株式会社Unlimited」から「株式会社Brave group」に変わる直前の2020年ごろでしたよね。

五十嵐:今から5年前ですか、懐かしいですね。
Smarpriseでは2017年からVSingerの「富士葵」さんと「奏みみ」さんの運営を行っていたので、VTuber業界の中で野口さんの存在は以前から知っていました。ただ、直接お会いする機会はなく、ようやく2020年になって共通の知人を通じて一緒に食事をすることになったんですよね。
とはいえ、その年の7月には2名の独立発表に伴い、SmarpriseはVTuber事業から撤退していましたから、まさかこうしてご縁が繋がるとは、当時は想像もしていませんでしたね。

野口:今でこそBrave groupはVTuber事業を軸に、周辺領域の企業とのM&Aや事業連携を積極的に行っていますが、2020年当時はまだ「VTuber事業以外のポートフォリオを広げる」という発想自体があまりありませんでしたから。本当にお互い想像していなかった展開ですよね。

五十嵐:それから、初めての食事会以降も交流は続き、2023年に入った頃。野口さんから「越境EC事業の展開を検討しているので、知見をお借りしたい」と連絡をもらったのが、経営統合に至る大きなきっかけでしたよね。

野口:2023年3月にBrave groupとして初めて海外拠点を米国と英国に設立し、積極的に海外展開を進めようとしていたタイミングで、越境ECを手がける企業様から「パートナーシップを組めないか」というお話をいただいたんです。当時は、社内にECの知見を持つメンバーがいなかったので、すでにグッズ事業を展開されていた五十嵐さんに協力をお願いできればと思い、連絡させていただきました。

五十嵐:SmarpriseはVTuber事業と並行して、2019年12月に「サプライズボックス(*1)」、2020年6月に「colleize(*2)」をリリースしていたので、VTuber事業はもちろん、ECに関する知見やノウハウを持っていました。何かお役に立てそうだなと思い、「僕でよければぜひ!」とお答えしました。そこから、色々と話を進めていくうちに、思いがけずSmarpriseにお声がけをいただく展開になったんですよね。

(*1) 「サプライズボックス」とは、ユーザーが好きなコンテンツやアーティストの限定アイテムを定期的に受け取れるサブスクリプション型サービス。(公式HP:https://surprisebox.jp/
(*2)「colleize」とは、アニメや漫画などの公式グッズやライセンス商品を取り扱う専門サイト。(公式HP:https://colleize.com/

越境ECを手掛ける企業とのパートナーシップ検討が経営統合のきっかけに

野口:結果的にパートナーシップを検討していた企業様とのお話はなくなってしまったのですが、VTuber事業におけるグッズ分野には大きな可能性があると考えていました。同時に、Brave groupの“第二の柱”を作るために、新規事業の立ち上げにも積極的に投資していこうと考えていたんです。
五十嵐さんは0から1を生み出し、それをさらに成長させることができる稀有な存在でした。また、五十嵐さんはグッズ事業に知見があり、グローバル展開にも強い想いを持っていらっしゃったので、ぜひ一緒に取り組めないかと思い、グループインについて打診させていただきました。その後は、さまざまなタイミングが見事に重なり、あれよあれよという間に実現に至りましたね。

五十嵐:そうでしたね。海外展開にはずっと挑戦したいという想いがありましたし、野口さんにお誘いいただいたタイミングが、まさに早すぎず遅すぎず、ベストなタイミングだったんですよね。
ちょうどその頃、「colleize」はお陰様で順調に成長していましたが、僕自身「このポテンシャルならもっと大きく伸ばせる。もっと踏み込んで、大きく展開していきたい!」と考えていました。そんな中で、Brave groupがそのビジョンを理解し、一緒に取り組んでくださるのであれば、Smarpriseの事業や会社としての成長にとっても良い選択肢になるのではないかと思ったんです。

重要なのは「やりたいことができるかどうか」

五十嵐:それに、Smarpriseはこれまでトレンダーズ株式会社→ユナイテッド株式会社→株式会社ゲームエイトと、複数回の移籍を経験してきたので、「郷に入れば郷に従え」という点に関しては、特に不安はありませんでした。なので、あとは「やりたいことがやれる環境かどうか」というのを見極めて決断したという感じですね。
ただ、Smarpriseのように“会社ごと”何度も移籍するケースは僕自身も聞いたことがないので、経営統合の決め手としては、あまり参考にならないかもしれません(笑)。

野口:“会社ごと移籍”、しかもそれが複数回にわたるというのは非常に珍しいケースですよね。一般的には、自分の会社が他のグループ企業に加わる際、その経営者は次のチャレンジに向けて会社を離れることが多いと感じています。でも、五十嵐さんは一貫して「Smarprise」で事業を続けていらっしゃいますよね。その背景には、何か特別な理由があるのでしょうか?

五十嵐:僕としては、「人」「モノ」「金」を含めたリソースを活用する上で、「Smarprise」という枠組みを使う方が、自分のやりたいことができると感じているからでしょうか。それに、もう10年以上続けているので、少なからず会社に対する愛着もありますから。
周囲からは、「いつまでSmarpriseをやるの?」なんてよく聞かれますが、僕としては「自分のやりたいことや信念に従って突き進むのみ!」という感じです。もちろん、その中で成功も失敗もありますが、一番重要なのは、「やりたいことができるかどうか」というところだと思いますね。

中国・上海への視察から約3ヶ月で新規事業の立ち上げと海外進出を実現

野口:現在、五十嵐さんを中心に進めてもらっている「colleizeの成長」と「海外向けグッズ販売事業『Brave stores』の立ち上げ&成長」は、会社の将来に大きく関わる非常に重要な取り組みですが、当初は「五十嵐さんにはcolleizeの成長に注力してもらったほうが良いのでは?」という意見もありました。
既存事業を伸ばしつつ、新規事業の立ち上げ、しかも海外展開まで並行して進めるのは相当なチャレンジなので、五十嵐さんが本当にやりたいことができない状況になるのは避けたかったんです。
それでも最終的には、「どの程度のバックアップ体制を整えられるか」という懸念はありつつも、「Brave groupとして全力でサポートする」という前提のもと、どちらも並行して進行いただくことになったんですよね。

五十嵐:そうでしたね。ただ、正直なところ、「Brave storesもやるから五十嵐よろしく!」と明確に言われた記憶はあまりないんですよね(笑)。
僕自身、以前から海外市場へチャレンジをしたいと思っていたので、常にアンテナを張っていました。そんな中で、「中国・上海にあるZXというビルで日本のオタクカルチャーが盛り上がっている」という情報をキャッチしたんです。
それから、その話をBrave group 執行役員COOの舩橋さん、執行役員 VP of IP Platform and Solutionの武田さんに伝えたところ「すぐに視察に行きましょう!」となり、2024年4月に3人で現地へ向かいました。そこからの動きは、もう本当に早かったですね。

野口:視察から戻った3人が「野口さんもすぐ見に行きましょう!」と熱狂しながら語るので、信じないわけにはいかないじゃないですか。なので、「一度試しにそこでやってみたら?」とは思っていましたが、まさか4月に視察に行って、そこからわずか3ヶ月後に「Brave stores」をリリースし、現地でポップアップストアを開催するとは...もう正気の沙汰じゃないというか(笑)。

五十嵐:もちろん、じっくり事業計画を練り、1年後や2年後にリリースする選択肢もありました。でも、それで成功確率が上がるかといったら、正直あまりそうは思わなかったんですよね。むしろ、やるなら先にやってしまった方が今後のためにも良いのではと。
実際、めちゃくちゃ大変でしたが、あの時は「まずはやる。」というところが大事だったかなと思います。それに、Brave groupの皆さんが全力で応援してくれて、意思決定も驚くほどスムーズだったからこそ、実現できたのだと思いますね。

野口:これぞスタートアップ!って感じですよね。まぁそれにしても、約3ヶ月間で海外事業を立ち上げようという意思決定と、それを実現できるチームというのは、かなりタフだと思いますね。

五十嵐:そうですよね。Brave groupのスピード感とエキサイティングさは、本当に唯一無二ですよ。
まぁでも、海外事業を立ち上げて、さらに伸ばしていくというのはハードルも高く、かなり難しいですから。チャレンジするだけでなく、しっかり成功へとつなげるために、僕自身が先頭に立って走り、全身全霊で挑まないといけないなと思っていますね。

0から1のフェーズで重要なのは「とにかく社長の覚悟とコミットだ」

野口:本当に、五十嵐さんは起業家だなと思いますね。以前、若手の事業責任者が集まる場で、五十嵐さんは「とにかく社長の覚悟とコミットだ」とおっしゃっていましたよね。もちろん、事業を作る上でのテクニカルな話もありつつ、0から1のフェーズでは、やっぱりそこが一番重要なんだと。

五十嵐:やっぱり、Brave groupで立ち上がっている様々な事業も、グループインした会社の事業も、その事業責任者や各社の代表の“想い”からまずはスタートしていると思うので、その部分は本当に重要だと思っています。
僕自身、今まさに0から1のチャレンジ真っ最中で、まだまだ「勝ちパターン」とかはないのですが、とにかく覚悟を持って全身全霊でコミットし続けることが大事かなと思っていますね。

野口:僕を含め、Brave groupの経営メンバーはどちらかというと0から1で事業を立ち上げるというよりも、そうした熱意や夢といった“想い”を持った人を支えることに適した人が多いと思っています。現在も、そういった人たちがナチュラルに集まってきていると思うので、今後も五十嵐さんが「新しいことに挑戦したい」となった時に、それをすぐに叶えられる組織があるというのは、Brave groupの大きな強みではないかと思いますね。

五十嵐:本当にありがたいなと思っていますね。成功も失敗も含めて、チャレンジし続けられる環境があること自体が、本当に幸せなことだなぁと感じますね。

熱意を持つ仲間がBrave groupに集まり、みんなで強くなっていく

野口:最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

五十嵐:Brave groupにはグループ会社を含め、「よっしゃ行くぞ!みんなで頑張ろうぜ!」という前向きなカルチャーがあります。このカルチャーは今後もさらに強まっていき、企業の競争力にも繋がってくると思うので、今後もそういった熱意を持つ仲間がBrave groupに集まってきて欲しいなと思っていますし、皆んなで一緒に強くなっていけたらいいなと思っています。

※この記事の内容は、2024年11月取材時点のものです


株式会社Brave group 代表取締役CEO 野口 圭登(@keito_noguchi
2011年の在学中に株式会社Vapesを創業。2016年に同社を株式会社ベネッセホールディングスへ事業譲渡、50社以上のスタートアップへのエンジェル投資、共同創業を経て、2020年に株式会社Brave group代表取締役に就任(現任)

株式会社Smarprise 代表取締役 五十嵐 健
立教大学文学部卒業後、2005年株式会社サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業本部に配属後、 2010年に当時同社の投資先であるトレンダーズ株式会社に出向。2011年に転籍し、2012年のIPOに貢献。2014年に取締役就任後、2015年4月に株式会社Smarpriseを設立し、代表取締役に就任。ユナイテッド株式会社、株式会社ゲームエイトのグループ会社を経て、2024年よりBrave groupに参画(現任)。


2025年2月5日に野口圭登 初の著書『Team Brave「勇気の経営」』を発売📖

▼ 著者メッセージ
組織が大きくなり、大多数のメンバーが過去の炎上の経緯を知らない中で、どうやって今のBrave groupに至るのか、ありのままの僕たちを未来の仲間を含めたメンバー全員に知ってもらう必要があると思い、本書を執筆しました。決して順風満帆な道のりではなかったこと、同じ過ちを犯してはいけないという気持ち、改めて気を引き締める意味でも、今後のBrave groupにとって意義のある書籍になったのではないかと思っています。
Brave groupへのジョインをご検討してくださっている方々にご覧いただけると幸いです。


採用情報
株式会社Brave groupでは、事業のさらなる成長に向けて、積極的な採用活動を行っております。
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経営統合・資本業務提携のご相談
2024年9月、Brave group同様に日本から世界へ挑戦し、世の中に感動を生み出している事業・企業を支援していきたいという思いから、「Brave global capital」を設立いたしました。経営統合や資本業務提携について、ぜひお気軽にご相談ください。

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