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文学が扱う、心の闇のようなもの2(文学を人生のBGMに⑤)

文学が扱う、心の闇のようなもの。(それは、光あれば必ず生み出されてしまう闇?明るみに出してほしがっている秘密?あるいは封印し続けなければならなかった、本物の悪?)
毒。

心の闇のようなもの。
暴力性、性的欲求。
これらは、社会が、見なくていいようにしていること。
人間は本能を封じ込めて、うまく(冷たい)「社会システム」が機能するようにしてきた。
「社会」とは?
「システム」とは?
それを端的に言葉で言い表すには、相手が複雑すぎる。
そこで、物語全体で語ろうとする、文学的な試みが生まれる。

村上春樹文学には、システムについて描いているものがある。
『ダンス・ダンス・ダンス』は、物語を通じて高度資本主義社会における個人の置かれた状況や、社会システムが個人に与える影響を描いていた。物質的な豊かさをもたらした社会システムの上で、ダンス・ダンス・ダンス。・・・空虚。

文学というのは、この社会システムというダンスホールの上で、いかに自分のダンスを踊るかという、個別の実験を、毎作品行っているとも言えるかも知れない。

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