家族が癌になるということ
同居している父親(90歳・12月で91歳)の話である。正確には、現時点で「癌の疑い」である。
父親は4週間に一度、診療所(かかりつけ医)を受診している。6~7年前からは私が同行し、主治医の話を聞き、日常での様子を話すことにしているのだが、9月の受診では咳と痰の症状を訴えた。8月上旬に家族全員新型コロナに感染していたこともあり、念のため(肺炎の可能性)胸のレントゲンを撮ったところ、医師曰く「たまたま」気になる影が見つかった。即CT画像も撮影した。素人が見ても左の肺の中程に白い影がみえる。医師によれば、「悪性の疑い(医師は「癌」とは言わない。こちらが「肺癌ですか?」と聞いて、「まぁ、そうです」と答える)」とのこと。「医大の付属病院(市内)を紹介するから、そちらで受診するように」という流れになった。このとき、検査や今後の治療について、「年齢のこともあり、検査をするかどうかも含めて医大で相談を」という話になった。また、咳や痰との因果関係はなく、日常生活も普通でよいとのことであった。まぁ、「癌の疑い」と言われれば、ショックを受けない人はいないし、87歳の母親を含めて家族も心配する。「この年で手術や入院は考えたくないなぁ」と、父は本音を漏らしていた、
それから約半月、昨日が医大病院の診療日であった。
ちょっと本題からそれるが、大学病院は混む・時間がかかる。受付をしてから、すべて終わって会計を済ませるまで6時間半!いやいや、すごいところである。
呼吸器内科の医師は50歳くらいの男性。父親、私、私の妻、の3人で話を聞く。
以下、私の兄弟や、叔母達への報告のためにまとめたものである。
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○診療所からのレントゲン・CT画像からの判断
・画像から判断すると、癌の可能性が高い。癌は加齢現象でもある。
・CT画像にギザギザが見える。これは「腺癌(せんがん)」の特徴。
腺癌はゆっくり進んでいくタイプ。大きくなれば転移もする。
・大きさは34㎜×20㎜。30㎜を越えると転移も考えないといけない。
・今の画像からは、リンパの腫れ、明らかな転移はみられない。
○医大病院医師の方針
①癌かどうかの診断が必要である。(診断なしでは治療方針が立てられない)
②転移の可能性もあるので、転移の検査も必要である。
⇒この段階で、「検査をする」ことに、父・私たち夫婦が同意。
<検査方法(上記①②に対応)>
①気管支内視鏡検査
・内視鏡を口から肺に挿入し、組織を採る。遺伝子も調べる。
・75歳以上は1泊2日(入院)で行っている。
1日目の午後検査・その後経過観察、何もなければ2日目に退院。
⇒ 検査月日調整中(10月下旬になりそう)
②(1)全身検査 と (2)脳の検査 の2種類
(1)全身検査
・ブドウ糖を注射し、癌組織があるかどうか調べる。
「FDG-PET」検査(ペット検査)⇒10月7日(月)午後
(2)脳の検査
・頭部のMRI検査(PETでは、脳は診断できない)
⇒ 11月5日(火)午後
○検査結果を聞くための受診 ⇒ 11月11日(月)15:00
○結果を聞いたあと、どうするか
・癌かどうか、転移があるか、はっきりしてから、治療方針を決める。
(肺だけなら「ステージ1」、転移していれば「ステージ4」)
・基本的には、①緩和治療 ②手術 ③放射線治療 ④薬物療法
などを相談していく。
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いやいや、一気に通院が増える。これから予定を調整しなくてはならない。仕事は、私は週3日の非常勤、妻は火曜から金曜の勤務だがフルタイム。時節柄、地域や関係している団体の行事も多く、なかなか調整は大変である。何より「癌」という言葉が家族全体に重くのしかかり、精神的にも結構しんどい。
家族が癌になることは大変だ。でもこれはほんの入り口なのだろう。