2023年12月28日 [Yes! オピニオン] 箱根駅伝に各大学が配車する、「運営管理車」は必要か
まもなく、毎年恒例の箱根駅伝が催されます。
日本帰国後、正月のTVスポーツ番組で、一番楽しみにしているのは、毎年1月2日・3日に行われる箱根駅伝 (東京箱根間往復大学駅伝競走)。箱根駅伝は、関東学生陸上競技連盟(関東学連)が主催し、読売新聞社が共催する、全国的に注目度がとても高いイベントです。
<箱根駅伝の魅力>
陸上競技場の長距離レースとも違い、マラソンとも違う。唯一2日間で行われる駅伝競技です。5区の山登り、6区の山下りがある特殊で過酷なレース。特に山登り5区は重要。ここで優勝校が決まるとも言われています。各校の伝統の襷を繋ぐという、走る選手にとっては極度に精神的負担の高い競技です。中継所によっては、規定の時間に引き継ぎができない場合、「繰上げスタート」となってしまい、母校の襷が繋がりません。辛いトレーニングを長期間積んで、晴れて箱根駅伝に出場。死に物狂いで走ったけど、中継所に到着したら、襷えを引き継ぐ相手がいない。人生で、こんなに辛いことってありますか。でも、これが日本人が好むドラマなのです。
<気になる各大学の「運営管理車」>
TV中継で気になるのは、各大学に一台割り当てられ、選手の後ろを走行する「運営管理車」。この車には、運転手、競技運営員、走路管理員に加え、各大学から主に監督と学生マネージャーの長にあたる主務の計5人が乗り込み、後方から選手を見守る、必要な管理車のはずなのですが。。。
出典
<大学の運営管理車は必要か>
今でも、通常大会開催時、選手の真後ろに20台の「運営管理車」がレース上を我が物顔で走行します。各監督がマイクで常時、選手を大声で、叱咤しながら走行します。監督はマイクで、選手に「男だろ!」「粘れ!」など、旧軍隊式に、選手に怒鳴っています。
これって、長良川の鵜飼と似ていませんか? Yes!としては、この光景はとても不快です。怒鳴る監督が鵜匠、走る選手は鵜に見えます。選手は18才以上。立派な成人です。確実な人権侵害と映ります。
本来、大会の運営管理や健康管理は、大会主催者が行うものです。選手の健康管理は、大会のメディアカルスタッフが判断すべきもの。もし、選手が危険な身体状態になった場合、走行を中止させる権限は、所属大学の監督ではなく、救急医療の資格を持つドクターです。
大会主催者が救急医療のドクター車を手配すれば良いのであって、全大学の「運営管理車」を多数、レース上に配置する必要がわかりません。また、各大学の「運営管理車」がレース上で渋滞し、本来主役であるべき、選手の通路の妨害になもなっています。
<まとめ・提言>
1. 箱根駅伝参加の全校が配車する「運営管理車(監督車)」は、選手への叱咤が目的であり、運営管理が目的ではない。大会主催者としても、レース運営上、数多くの「運営管理車」は、邪魔な存在
2. 「運営管理車(監督車)」からの選手への大音声での、鵜飼にも似た選手への過度の叱咤であり、TV視聴者にとって不快でしかない
3. 全ての運営管理車(監督車)を廃止し、救急医療資格を持つ医師を乗せた「ドクターカー」を配置すべき
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