🥀すみれ色の万華鏡🥀

パパが
くれた
万華鏡は
すみれ色の万華鏡

くるくる
くるくる
回しながら
目を細めて
覗き込むと
知らない女の子たちが
たくさん
笑ってた

いちご色
みかん色
そら色
みどり色
れもん色
色んな色に
混ざって

女の子たちは
笑ってた

色んな形に変わってく
万華鏡
とっても綺麗だけど
色んな角度から
回してみたら
なんだか
とっても気分が悪そう

いちご色
みかん色
そら色
みどり色
れもん色
色んな色に混ざって
女の子たちは
とても
怒ってる見たい

それでも
くるくる
くるくる回して
目を細めるて覗き込んだら

女の子たちは

とっても怖い顔で
あたしのことを
睨んでた

何よ！
万華鏡のくせに！
くるくる
くるくる回しながら
もう１度
目を細めて
覗き込んだら
突然

目の前が
ばっと
明るくなって
あたしは

知らない女の子たちと
同じ仕切りの中に
入ってた

くるくる
くるくる
回される
狭い部屋の中から
大きな黒い瞳が映る

右に
左に
縦に
横に

くるくる
くるくる回される
あたしの身体は
知らない女の子たちと
ぶつかりながら
右往左往しながら
必死になって
落っこちないように
してたけど

だんだん力が

入らなくなっちゃった

そしたら

もう
万華鏡で遊ぶのやーめた！
って
綺麗に切り揃えられた
前髪の隙間から

さっきとおんなじ
大きな黒い瞳が
見えた

色んな色と一緒に
かき混ぜられちゃって
もう疲れ果てた
あたしは
ポン！って床に放り投げられたみたいで
知らない女の子たちと一緒に
体を曲げながら
その場所に閉じ込められたまま

女の子の気まぐれに
恐怖を感じながら
そこにいるしかないの

パパがくれた万華鏡は
すみれ色

知らない女の子たちも
最後はみんな
すみれ色