しゅー@探究する牛

巻き込まれ系の牛。今は東南アジアに出荷されて足腰を鍛えています。 好きなものは読書・…

しゅー@探究する牛

巻き込まれ系の牛。今は東南アジアに出荷されて足腰を鍛えています。 好きなものは読書・インスト系音楽・ゲーム・宝塚鑑賞・蓄財・占い・珈琲。 現在の関心事はダイエット。 得意技はマインドフルネス。 アイコン画像はICOOON MONOさんからお借りしました。

最近の記事

或るゲーマーの癖をくすぐる余白ある大海賊

先日、宙組全国ツアー公演「大海賊—復讐のカリブ海/Heat on Beat! ーEvolution-」を観る機会があった。 演目発表時点では、SNSで「なんで大海賊?」と訝しむ声が多かったと記憶している。 「駄作」というワードを目にしたのも一度や二度ではない。 初演・再演を知らない私からすれば、思い浮かぶのはパイレーツ・オブ・カリビアンで、「海賊ものなんてラム酒のラッパ飲みと、砲撃のち乗船による白兵戦、船長同士の交渉と船乗り特有のジョークやしきたりがあればそれでええやろ」くら

    • 筋トレを始めたけどシトラスの風は吹かなかった件

      Attention!ただの筋トレしんどい日記です。 ヅカほぼ関係ないです。 9月に入ってから、筋トレを始めた。 やむにやまれぬ事情——というか、体重増加と体力低下が止まらない(逆!逆ゥ!!)ための、 しゃあなしの成り行きだった。 友人が受けている筋トレのグループレッスンに参加させてもらうことになった。 コーチは日本人。 18歳から国を出てパーソナルトレーナーとして 30年以上諸国を渡り歩いてきた剛の者だ。 目の前にすると、なんというか絵のタッチが違う。 私が凹凸なく重力に負

      • どの椅子に座る?~エンプティ・チェア~

        先日、9月30日を迎えた。 宝塚歌劇を愛する人(愛していた人)にとっては忘れられない日となった。 私もまた短い黙祷をささげ、 その日はあまり一人でいない方がいいだろうと思って、動物のふれあいカフェに行った。 Tip boxに寄付も入れた。 多分、分かりやすい善行がしたかったのだろう。 餌も持っていないのに、なぜか子ヤギが私の横に鎮座し、さらに別のヤギも傍で膝を折った。 牛寄りの人間であることを自認しているが、 まさか動物にも伝わっているとはと思いながら、 ヤギの毛並みをなで

        • 月とウサギと回顧録

          今住んでいる国は中華系にルーツを持つ人も多いので中秋節を祝う習慣があり、 9月になると月餅があちこちで売り出される。 満月とウサギのイラストを目にすることが多い。 それを見るたび、どうも胸がチクリとする。 2023年9月の中秋の名月は、29日(満月)だった。 忘れられるはずもない日だ。 この1年、負の感情を舐めつくした。 実際、よくわからない体調不良に襲われることもあったし、iPhoneがお知らせしてくるスクリーンタイムは病的な長さだった。 アカウントを作った時はポストも

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          先祖返りしたヅカオタの決意表明

          先日、一時帰国して実家に立ち寄った際に、 母から亡父の納骨について相談された。 父は、2020年2月に急性脳出血で亡くなった。 正月に会ったときは、何の兆候もなかったので驚いた。 父は常々「好きなものを好きに食べてピンピンコロリで眠るように死にたい」 と言っていたので、離別の悲しみもさることながら 「初志貫徹えらいやん」という気持ちもあった。 医療の発達した現代、なかなかピンピンコロリは達成できない。 母によると、母の地元の菩提寺に納骨したいとのこと。父の親族は皆それぞれの

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          フライト・パニック~これが私のエスカリエ道中~

          Attention!これはあくまで、公演に向かう私の身に起きた出来事を綴った手記であり、実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。 2024年6月29日、某国上空。 私は身をぷるぷる震わせながら、”後悔先に立たず”という言葉の意味を噛みしめていた。 (言ってた。確かに言ってた) 関空に向かうLCCの深夜便の機内は、 比較的若い人で埋まっている。 すでに機内は消灯し、一部の人の読書灯が灯るのみ。 ブランケットもフットレストもない簡素な機内。 【一生のお願い(okawari

          フライト・パニック~これが私のエスカリエ道中~

          とある労働者の身勝手なシンパシー

          2回目の育休後、職場に復帰した時、私は採用から8年目を迎えていた。 個人的には、育休をとっている期間は空白だし、むしろ経験値がリセットされてマイナスカウントになるべきだと思うのだが、 そうは見なされない職場なので、8年目ともなるとまあ中堅扱いとなる。 自分の仕事はできて当たり前、組織運営が円滑に進むように、 管理職の一歩手前の働きを求められる年代だ。 というわけで、復帰直後で電話の取り方から始めたい私の意向は無視され、10人1グループのサブリーダーとなった。特に手当はつ

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          怒りは一時の狂気である(Horatius)

          唐突だが、なぜ私のアイコンが牛なのかをお話ししたい。 私が「丑年・おうし座」かつ、幼少期から食べてすぐ寝る子で 親から「牛」と呼ばれて育ってきたからだ。 そんなおうし座の性格は「のんびり・穏やか・我慢強い」などと星占いでは言われるが、私にはまったくピンと来ない。 唯一、私が「そうだね」と思うのは「怒り」についてだ。 多くの星占いでは、おうし座の人が「怒ると激しい、長引く、頑固」とされている。自分を省みて、まったくその通りだと思う。 予定されていた期限より早く、Xデーがきた。

          怒りは一時の狂気である(Horatius)

          或る頭お花畑のヅカオタの手記

          2023年9月25日〜9月30日。 過去のXを振り返ってみても、 ここまで心が乱高下した時期はないように思う。 まず、9月25日。 月組トップスター月城かなとさんと、 トップ娘役海乃美月さんの退団発表。 過去noteのとおり、月城かなとさんと言えば私の命の恩人である。 「あの時助けてもらった鶴です」とまだお伝えしていないと慌てふためいた。 翌9月26日には雪組の退団者発表。 和希そらさんの名前に大いに動揺する。 まってくれ、ずんちゃんの同期とずんちゃんの親友(多分)が相次

          或る頭お花畑のヅカオタの手記

          和希そらというハート最強ジェンヌ

          雪組公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル(言えない)/FLOZEN HOLIDAY」宝塚大劇場の初日の幕が上がった。 当初の予定より3週間遅れの開幕。 彩風さんの涙を滲ませたご挨拶、苦境を乗り越えた雪組生のパフォーマンス、生田&野口先生の趣味とジェンヌへの愛を詰め込んだハッピーな舞台の感想レポでXが埋め尽くされ、「あぁ、公演期間ってこういうものだった」と思い出させてくれた。 本公演では3名の退団者が公表されている。 その中でも、とりわけ私にとって印象深いのは男

          和希そらというハート最強ジェンヌ

          『逃げるは恥だが役に立つ』が、余計につらいこともある。

          さて、6年間生ぬるい感想しか抱けなかった私は、 1年前の宙組公演『High&Low/Cappriciosa!!』のラストほんの1分で見事ヅカオタ沼へと陥落したわけですが(それはまた別に機会に)、 当時、日本を離れるために諸々準備が必要で、 てんてこまいな状況への逃避の一環として夜な夜な過去の公演の動画配信を観ては、翌日師匠(Oさん)に感想の長文LINEを送りつけるというはた迷惑な日々を送っていました。 (今思い出しても、あの時の履修スピードは異常で師匠に「高3夏で引退してから

          『逃げるは恥だが役に立つ』が、余計につらいこともある。

          あんな、真実って200種類あんねん

          まずは何より、亡くなられた彼女に深い哀悼の意を表し、 ご遺族にはお悔やみ申し上げます。 四十九日を過ぎ、彼女の魂が安らぎに満ちた場所に辿り着いているよう願います。 この1週間近く、ずっと情緒が安定しませんでした。 正確に言えば、9月の終わりから。 毎朝、夢だったらいいのにと思って目覚めてSNSを見て落胆、 という日々を繰り返し、一縷の望みをかけては落ち込み、 色んなものに怒り、自分の在り方に悩み、 全てに嫌気がさして茫漠と過ぎ去っていった10月。 11月に入りようやく、他

          あんな、真実って200種類あんねん

          2月のベランダ〜私と宝塚の出会い〜

          ——2016年2月某日。AM1時。 寝室のドアが開く気配で目が覚めた。 布団は人肌で心地よく温まっている。 時計で時刻を確認して、諸々の記憶を掘り返して私はため息をついた。 (またやってしまった……) 子どもを寝かしつけてそのまま寝落ちしてしまったのだ。 そして夫が寝室に入ってきた気配で目を覚ます。 (何も……できてない) 保育園の着替えの洗濯、皿洗い、水筒洗い、お茶を作る。 明日を迎えるための準備は何もできていない。 (起きないと……) 横ですよすよ眠る子供を起こさないよう

          2月のベランダ〜私と宝塚の出会い〜

          世にも美しいものを見た

          2023年6月11日、PM6時 関西国際空港に向かう快速電車の中で、私はひとりで涙を流していた。 手にしたスマホから流れる動画は、Wifiの電波が不安定なせいでとぎれとぎれではあったけれど、まさに今、 東京宝塚劇場で終わりを迎えつつある大千秋楽の様子を伝えてくれている。 そう、今日は、宙組トップスター・真風涼帆さんの退団の日。 最後の日を(配信だけど)友人と一緒に見送りたいという一心で、 LCCの深夜便に飛び乗って帰ってきたのだ。 なんとこの『カジノ・ロワイヤル』大千秋楽は

          世にも美しいものを見た