12. 検査の結果「18トリソミーの可能性が高い」
病院の一室で検査結果を
聞く事になった。
病室には主治医の先生以外に
看護師さんと臨床心理士さんもいた。
先生が紙に書きながら
検査で分かった事を説明する。
・心奇形
・手足に特徴
・肋骨が細い
・後頭部突出
・この特徴は18トリソミー
(エドワード症候群)
の可能性が高い。
・18トリソミーは産まれてくる事は稀で
その確率は
3000人~6000人に1人。
・18トリソミーは1カ月以内に50%、
1年以内に90%が亡くなっている。
1年以内に90%亡くなる・・・。
絶望的な数字・・・。
ひと通り話して先生は言った。
「18トリソミーは
産まれてくる事は稀(まれ)なのに
それでも産まれてきたという事は
強い子なんだと思います。
どうしてもお父さん、お母さんに
会いたかったんでしょうね。」
話を聞きながら私は
涙を堪える事が出来なかった。
幸い、マスクをしていたので
鼻をすすらなければバレないはずだ。
こんな話をするのは先生も辛いだろう。
号泣してるのが分かってしまうと
話が中断してしまう。
溢れる涙を止めずに最後まで
話を聞こうと思った。
先生の話が終わるまで我慢・・・
と思っていたのに
話が終わり、
先生が出ていくと
続いて臨床心理士さんと
お話するという。
臨床心理士さんが雲くんに
心境等を聞いて雲くんが答え、
次に私に聞いてきた。
私は
「そうですね・・・
小さいだけだと思ってたんですけど・・・」
と言いながら、
もう耐えられない! と
「うぅ~・・・!」
と声を出して泣いてしまった。
雲くんは私の背中に手を当てながら
「しょうがないやんか・・・。
どんな子でも産むって
言ったんやから・・・。」
と涙声で言った。
とにかくマスクの中が
涙と鼻水でぐちゃぐちゃだったので
看護師さんにテッシュを
持ってきてもらって拭いてから、
臨床心理士さんと話をした。
臨床心理士さんは
心のケアをしてくれる
という事だった。