歳をとるということ
せっかくアカウントをつくったというのに、なかなか更新できずにいた。
この年齢らしく、年々高齢の両親のことで時間を使うことが多くなっている。
両親とは日帰りができる距離に暮らしている。
実家を出てから彼此四半世紀にもなる。
ことあるごとに、歳をとったら夫婦で楽しく暮らすからあなたたちには頼らない、お金も残さないと言われていた。
いざ、自分たちの体が思うように動かなくなると、
そんなことはキレイに忘れてか、恨み言も言われるようになった。
両親はあまり本を読まない。
母が私たちに読書習慣をつけたのは、そのせいだったのかもしれないと思う。
自分ではせいぜいが漫画程度ではないだろうか。
特に視力が弱ってからは、活字をほとんど嫌うようになった。
若いころは洋裁や手芸が好きだったが、これも目を酷使する。
絵画教室には通っているが、日々どうにも時間をもてあますらしい。
落語が聞けるように環境を整えてみたが、それだけでは有り余る時間をどうすることもできないらしい。
基本、夫婦そろって家にいて、熱中するほどの趣味がない。
もともと友人と連れ立って家を空けるようなことはない人たちだ。
したがって暇で仕方がない。
いい妻、母とは家にいるものと思い込んでいたという母は友達が少ない。
二言目には父のせいにしているが、自分の価値観のせいだとは思わない。
父は仕事ばかりしていた人で、休日は寝るものと公言していた。
定年退職してみると時間の使い方がわからない。
結局、毎日が休日になっても家から出ない。
あの世代にはごくありふれた状況なのか、それとも我が家だけの問題なのか。
私なら、と言うと、姉もほぼ同意する。
映画を観たい、ドラマを観たい。音楽も聴きたい。舞台を観に行きたい。
トークイベントに行きたい。オンラインでもいい。
無料から数千円でも、年中なにか行ってみたいものがある。
毎日でも図書館や本屋に通う。行きつけのカフェをもって、本を読む。
読みたいけど読んでない本が山ほどある。
目が辛くなったら朗読を聴くという方法だってある。
暇になんてなるだろうか。
本が読めなくなったら。
視力が落ちたり、耳が遠くなったりというなら、
今なら機械の力でなんとかなる。
でも思考力、理解力が落ちたら。
私はどうやって時間を過ごすだろう。
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