ひねくれコラム


   第3回【ひねくれコラム】 № 320 10月号
  【涙のチャペル[Crying in the Chapel]】〔敬称略〕
▼先月9月中旬、猛暑未だおさまらず。某大手病院の定期健診を終え、ホッと一息。旧正門の入口の縁石に腰を掛け煙草をくゆらす。すると、すぐ横の住宅街の小さな通りから若い二人の保母さんに手をつながれ、よちよち歩きの3人の幼児〔2才ぐらいかな〕、男の子一人、女の子2人が私の横を通り過ぎる。思わず小さく手を振ると女の子二人がニコッと笑って手を振る。もう一人の男の子もにこやかに笑って「バイバイ」をする。そして若い保母さんに引率され遠ざかって行った……。何とも言い難い可愛さ。まるで「天上の天使の如し」。しばし、遠くなる幼児の姿を見詰めていた……。

▼その国家の「至宝」である子供たちのことを考えているのか、総裁候補に告ぐ。『夫婦別姓』のことだ。はたまた「多様の選択肢」だって?
夫婦の名字が別々だと、その子供はどちらを選ぶのか。右往左往どころか、授業参観日に招かれた父・母と子供の名字が違えば子供の心に痛みは生じないか。夫婦同姓は古来より、日本人の価値、文化として定着している。岸田政権が退陣に追い込まれた要因の一つは、米国の圧力というより、駐日米大使の要望に屈した「LGBT法案」の拙速な決定でもある。これで大きな汚点を残したきらいがある。と同時に「夫婦別姓」もしかり。可愛い子供たちが眼に涙を浮かべるのは見たくない。等々、現在、「総裁選」が華やか。この原稿は9月23日に書いている。残念ながら、総裁選結果は数日後。しかし総裁は日本国首相となる。すなわち、「陸・海・空」の最高指揮官となる。我が国を取り巻く核保有国の専制国家が牙を研いでいる。この敵対国家に対して、相対する胆力はあるのか。
 
▼「台湾有事は日本有事」と、今は亡き安倍晋三が唱えた。正にその通り。また今のウクライナ情勢を見るがいい。明日は我が身となっても不思議はない。「領土」「領空」「領海」及び、国民の「生命」と「財産」を命を賭しても護(まも)る気迫と気概のない者は今からでも遅くはない。総裁選から撤退すべきだ。そして世界を俯瞰〔ふかん(全体を上から見ること)〕する視野も必要となる。総裁選は人気投票ではない。一億数千万の国民に応えられる度量と決断力が肝心でもある。

▼さて、総裁選では唯一の二人の女性候補。日本版「ガラスの天井」を打ち破ることができるか否か。むろん期待せざるを得ない。女性米国大統領、女性日本国首相の誕生であれば、世界は拍手喝采の構図となろう。そして過日の「ハリス」と「トランプ」との「討論会」をじっくり見させてもらった。討論会の内容はすでにメディア等々で放映されているゆえ控えるが、討論会冒頭で敢えてハリスがトランプに近寄り、右手を差し出した。「握手」だ。トランプは予期せぬ状況に戸惑いが生じた。このシーンを観た瞬間、この討論会の勝者はハリスである、との直観が脳裏をかすめた。周到に準備したハリスの行動。トランプは女性との討論に弱い。数年前の「G7サミット」を思い出す。メルケル〔独〕との討論。安倍晋三がその横で立ったまま見詰めている。いざとなれば……。絵になるシーンだった。さて、ハリスとトランプと闘いは十一月迄続く。勝負の行方は……。女神の微笑みはどちらに……。                       ―夢追人―   


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