note版 ひねくれコラム11月号 第4回
【ひねくれコラム】 NO・321
【永遠(とわ)の世界[EternalWorld]】〔敬称略〕
▼相も変わらず、世界は殺戮(さつりく)と犯罪が絶えないカオス〔混沌〕状態。いつになれば「平和」と「安寧(あんねい)」の時間(とき)がやって来るのか。
見渡す限り野花が咲き乱れ、空には蝶が舞う。太陽は燦燦と輝く。まるで別世界。
人々は花を摘み、子供たちは楽しく駆け回る。この世の天国は今何処……。
▼ところが、人間〔人類〕がこの世に存在する限り、争い〔戦争〕というものは永遠になくなることはない。先日、核廃絶を訴えノーベル平和賞を受賞した。その崇高な理念には感服の拍手を贈る。しかし現実的な思考感覚であれば、核廃絶は遠い古(いにしえ)の理想論に過ぎぬ。「米」「英」「仏」「露」「中」はたまた「北」も核開発に躍起。何のための「国連憲章」「国連機構」なのかと問いただしたい。
▼我が国を取り巻く「悪の枢軸〔露・中・北〕」が「法の支配」を無視して、国家の存亡を賭しての悪逆非道に我が国は指をくわえて座視する以外に方策はない。「憲法9条」という平和憲法が大きく立ち塞がる。今もって自衛隊は「違憲」と唱える「お花畑思考」の学者、識者は多々いる。何をか言わんかだ……。世界の秩序を二分化しようとする悪の枢軸の野望に、「G7」を筆頭に西欧諸国としては、立ち向かわねばならない。
▼「法の秩序」を蔑(ないがし)ろにする、この悪の枢軸に「鉄槌(てっつい)」を下さない限り、世界に平和は訪れぬ。その大国といわれる「露」「中」に敢然と立ち向かったのはゼレンスキー大統領〔ウクライナ〕と、頼総統〔台湾〕。むろん、米国を筆頭に西欧諸国の支援なきでは立ち行かないのは「明白の理」。
▼そのゼレンスキー大統領と頼総統に異を唱える国があれば直接、「露・中」と対峙することだ。プーチンとしても止められないこの戦争。ゼレンスキーの策略と胆力がなければ一か月いや、一週間で「キエフ(ウクライナ)」は陥落している。プーチンの大いなる誤算であろう。今や、この「泥沼」から抜けられないのはプーチン政権。
▼一方、習近平とてそう。頼総統〔台湾〕の就任演説を聴いたが腹の座りが違う。ゼレンスキー、頼の二人が持っている最大の武器は「胆力」。そして「中」は「台湾」を併呑(へいどん)〔一つに合わせ、従えること〕することは不可能、夢想にすぎぬ。ましてや、「中」にその気力、能力、戦略もない。孫氏の兵法「戦わずして勝つ」消耗戦を夢見るのみ。それは歴史が証明する。過去において、清朝〔アヘン戦争〕時代以来、米英を筆頭に西欧諸国を敵に回して勝ったことがない負の遺産を持つ。これが現実。
▼ネタニヤフ〔イスラエル〕とてそう。ハマス・ヒズボラ相手に撤退という意思はない。ポール・ニューマン主演の映画「栄光への脱出」でも解かるように、四方八方をアラブ諸国に囲まれた小国〔イスラエル〕を守り続けなければ、神より与えられた「約束の地カナン〔旧約聖書の中で神がイスラエルの民に与えた〕」という約束の地を手放すことになる。
▼第一次中東戦争から今日まで、「流浪の民」として虐げられた歴史に終止符を打つ正念場。二度とアラブ諸国が牙を向けぬよう和平も有り得ない。憎しみは憎しみを呼び、「負の連鎖」のみが残る……。 ―夢追人―