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8.自分仕様にカスタマイズしたら、旅が楽しくなりました

先日一泊二日で旅行に行ってきました。
と言っても、仕事の研修に参加するのが目的で、そのために前泊が必要だったからなのですが、めったに遠出しない私には、これでもちょっとした小旅行です。
久しぶりに特急列車に乗り、少しだけ観光もして、夜はビジネスホテルで一人のんびり過ごしました🍺


今はたいていのことはネットで前もって調べて予約できるし、移動も、観光も、食事も、スマホさえ持っていればほとんど不自由はないし、一人でも、旅慣れていなくても、ずいぶん出かけやすくなっていて助かります。こんなに気軽に安全快適に非日常を味わえるなんて、贅沢なことですよね。

ことさらにそんなふうに感じるのは、「旅行は楽しい」と無邪気に思えない時期が長かったからかもしれません。
実際私にとって旅行といえば、「ひたすら我慢してやり過ごすもの」でした。



私が小学生の頃、わりとアウトドア好きだった父は、長い休みになるとよく車中泊のドライブ旅行に家族を連れて出かけました。それほど経済的にゆとりはなくても、自分の趣味も兼ねて、家族の思い出をつくろうとしてくれたのだと思います。
でも私は、ドライブも車で寝るのも全然好きではなかったので(ここで今のRV車とオートキャンプ場をイメージされるとかなりズレます。エアコンも付いてない小型の普通車を深夜観光地の駐車場に停めていて、お巡りさんに職質されることもありました)、二日目になると、もう早く帰りたくてしかたありませんでした。

小・中・高の修学旅行になると、こちらはもはや修行。
日頃学校で特につらい思いをしていたわけではないですが、修学旅行は集団で移動して、班ごとに行動してと苦手なことばかり。出かける前からとにかく気が重くて重くて、ため息混じりに準備しながら、具合が悪くなって行かずにすめばいいのにと思っていました。
おそらく修学旅行の間、私はある意味悟りの境地に達して自分を「無」にしていたようで、何十年もたった今、その時の記憶は見事に消去されて何も残っていません。

それでも大学生になると、年に一、二回気の合う友人と一緒に行きたい所に出かけて、このあたりから少し旅行を楽しめるようになったみたいです。
ディズニーランドや沖縄、アルバイトして海外にも行きました。
この頃の旅の思い出は、ピンポイントの画像としていくつか記憶に残っています。ただ、やはりどれもあまり鮮明ではなくて、年月とともにますますモザイクがかかってきているのは、まあ、しょうがないかという感じ。

その後社会に出て今に至るまでにも、何度か旅行する機会はありました。仕事がらみの時もあれば遊びの時もあり、その時々で友達、職場の同僚、家族や親戚といった誰かと一緒に出かけました。
けれどもどういうわけか、それらの記憶はほぼ残っていないか、あったとしてもとても断片的で薄いものばかりなのです。
新婚旅行で行った場所さえほとんど憶えていないと自覚した時は、さすがにどこかおかしいんじゃなかろうかと心配になりました。

私は誰とどこで何を一緒に見ても、食べても、笑いあっても全部うわべだけの反応で、記憶はさっさと削除してしまうような人間なんだ…
そんなふうに思うと情けなくて、あまり出かけたくなくなるし、人付き合いで悩むことがあると、やっぱり自分の性格に原因があるのだと落ち込んだりしました。
いったんこういう思考にはまると、なかなか厄介ですよね💧


そこからやっと抜け出せたのは、40代も終わるようになってからです。
きっかけのひとつが、これまた旅でした。

当時私はいわゆる専業主婦でしたが、連れ合いが犬と留守番をしてくれるというので、結婚以来初めて友人と二泊三日の旅行計画を立てました。ところが一緒に行くはずだった彼女が急に都合が悪くなり、迷った末に思いきって一人で行くことにしたのです。

直前までは一人でどうなることかと不安でいっぱいだったのに、いざ出発してみると拍子抜けするくらい快適でした。
行きたい名所、食べたいもの、のぞいてみたいお店、休憩のタイミング、とにかくすべて思うとおりに決めてよくて、自分のペースで楽しめて、ホテルに入れば誰の目も気にせずとことんリラックスできるんですから。
そうやっているうち、だんだんわかってきました。

私はただ単に、旅行中24時間誰かと何かを共有、同期しながら過ごさなければいけないのが苦手なだけ。
苦手なことを旅行の間ずっと必死でやってるから楽しくなくて、記憶にも残らないんだ、と。


こんなシンプルなことに気づけなくて、なんだかんだと理屈をつけて出かけるのを敬遠してきたのは、つくづくもったいなかったし、家族にも申し訳なかったと思います。
要するに自分のトリセツがわかってなかったんだと知ってからは、何ごとにおいても「私の性格に問題があるから駄目なんだ」じゃなくて、なるべく「私はこういう人間だから、じゃあどうしよう?」という対応を考えるようにしています。

初めての一人旅の何年か後、また友人と旅行する機会があったのですが、この時勇気を出して、ホテルはそれぞれシングルルームをとることと、別行動でお互い好きな場所に行く時間をつくることを提案して実行してみたら、友人にも好評ですごく良かったです😊


先週末に訪ねた和歌山市でも、観光は迷わず前から乗りたかった和歌山電鐵一択。
貴志駅、私にはすごいパワースポットでした💕 
ありがとうございました🐪





































































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