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カナレットとヴェネツィアの輝き展を訪れて


展覧会概要


新宿にあるSOMPO美術館で2024年10月12から12月28日まで開催されている日本初のカナレット個人に焦点を置いた展覧会に行ってきました。

この展覧会のことを知ったのは山田五郎さんのYouTubeチャンネルでコラボ動画を見たことがきっかけでした。動画の中のカナレットの細密なヴェネツィアの景観画に印象的で、絶対に実物を見に行きたいと思いました。

こちらがその動画になります。


カナレットという画家


カナレットという画家は1697年にヴェネツィアで生まれました。その後、舞台美術家の父に随行しローマを訪れそこで現地の景観画家たちと知り合い、ヴェネツィアに戻り美しいヴェネツィアの街の姿を描きました。

左がカナレットの肖像
カナル・グランデのレガッタ

カナレットのヴェドゥータ


景観画のことはイタリア語の見るという動詞のヴェデーレからヴェドゥータと呼ばれ、それを一つの一大ジャンルに押し上げたのもカナレットの業績と言えるでしょう。

ヴェドゥータの特徴は遠近法を用いて都市などの景観を細密に描いていることです。写真がまだ存在しなかった時代においてヴェドゥータのような細密な景観画は、旅の思い出や記憶を保存し所有したい人々の願望を叶える物として人気を博しました。

特に貴族の子弟たちが教育の総仕上げとして行なった文化の中心地を巡る周遊旅行のグランドツアーの顧客からの需要が大きかったそうです。


カナレットの作品を見て感じることは、細部までじっくりと見ていても飽きないその緻密な描写の素晴らしさもさることながら、その中に漂うヴェネツィアの街の情緒や活気などの空気感でしょう。

まるでそこにあるかのように感じられるほどのリアル感を味わえます。

当時のヴェネツィアで暮らしていた人たちの息遣いが伝わってきます。

カナレットの描いたヴェネツィアの街

それでは少しカナレットが描いたヴェネツィアを見てみましょう。

共和国として約1000年間もの長きに渡って繁栄したヴェネツィアの栄華が作品の中にそのまま保存され現代に届けられているかのようです。

昇天祭とは、水上都市国家であったヴェネツィアが海上貿易とそれによる繁栄を享受できることを願い海と結婚するという意味を込め、元首が指輪を海に投げ入れるという儀式です。

祝祭日当日の人々の熱気、空や海のきらめきが見事に美しく表現されていますね。

カナレットの素描とカメラ・オブスキュラ


またカナレットは緻密な描写のために詳細な素描を描いていたり、当時の最先端の技術でカメラの原型のカメラ・オブスキュラを用いたりしています。



カナレットの描いたイギリスの街


その後、カナレットは顧客の多くがいるイギリスへと渡り約10年間ほどの間にイギリスのヴェドゥータも多く描いています。

建立されたばかりのウェストミンスター寺院なども描かれていて当時のロンドン・イギリスの姿を知ることができますね。

ちなみに写真の無かった当時ヴェドゥータは、戦後の焼野原になった街を復興する貴重な資料としても活用されたそうです。

他の画家たちが描いたヴェネツィアの街


最後に、カナレットの影響を受けた他の画家たちが描いたヴェネツィアの街を見て締めくくりとしましょう。

リアルト橋や溜息橋などは現在も観光名所として有名ですね。作品の中に描写されたドラマ性も見どころだと思います。

モネやシニャックなどのフランスの印象派やポスト印象派の画家たちもヴェネツィアの街に魅了され多くの作品を残しています。彼らの手にかかるとヴェネツィアの街がまた違った見え方をするのは面白いですね。


展覧会の最後尾には、当館が所有するゴッホの代表作ひまわりが展示されていました。



カナレット展を鑑賞して


当展覧会を鑑賞してヴェネツィアの街を実際に訪れたいという願望がより大きくなりました

きっとカナレットが生きた当時の人たちもカナレットの描いたヴェネツィアのヴェドゥータを見て同じように思ったことでしょう。



最後までお読みくださった皆さん本当にありがとうございます。


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これからもこのような人生哲学や哲学書の解説、芸術や文化、歴史などについての考察など、人生や人間を広く理解するための記事を書いていこうと思いますので、よろしければフォローしてお待ちいただけると幸いです。



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寺田淳/あってぃ/ATSUSHI TERADA
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