![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/147585056/rectangle_large_type_2_46a12ddc3fe37e405a07eade251c3cd3.png?width=1200)
四人の皮膚科医
ある夜のこと、のんびり湯船に浸かっていると、見るからに異様な皮膚の変色、見たことのない赤みが、左右の足の甲や足首にあることに気づいた。内出血?違うな、何だろ?
何科の領域か判らなかったが、とりあえず近所の皮膚科へ。私の懸案事項は、『コレは放っておいて良いのか、要治療なのか?』に尽きる。優に20年はお世話になっている先生は、キッパリと、「わからないので大きい病院に紹介状を書きます」と言った。
医師の潔さが清々しく、大病院へ行けば解明されるのだという安堵を感じながら、皮膚科担当医先生御机下と書かれた紹介状を受け取った。
2週間後大病院へ。一応予約はしたが、予約など有って無いようなものだと、長い待ち時間を覚悟した。が、椅子が温まる間もないほど呆気なく私の番号は呼ばれた。
二人目の皮膚科医。
マスクのせいで、ほぼ目だけしか見えないが、絶対イケメンだ。そしてとてもお若い。
早速診てもらう。足を乗せる低い台を、医師が私の足元に置いてくれる。
置いてくれる。
置いてくれる?
医師はその御御足で、ズズーと台を引きずっている。何度目かのズズーで、台は私の足元に到着した。
足で、台を、足元に。
これにはまぁ唖然とした。へぇ〜という驚きで文句の一つも出ない。
そして足を診て、うーん何だろ?と、ふらっと去って行こうとするので、もう靴下履いて良いんですか?と思わず聞くと、いや、待って、とふわり後ろのカーテンに消えた。置いてきぼりの私は裸足で待っていた。
数分後、少し年上の第三の皮膚科医と共に戻ってきて、私の症状について話している。
イケメン医師が「◯◯ですかね?」と言うと先輩は「◯◯のわけねーじゃん」と。
ねーじゃん。その口調から、この人達に私の姿は見えてないのかもと思ったその瞬間、先輩が、突然足の赤いところをつねり始めた。
痛い。
何ヶ所もつねる。
痛い痛い。
そして、薬塗ったら治るだろ、みたいなことを言って去って行った。最初から最後まで一言の挨拶も何もなく。
再び唖然とした。
「これを2週間塗れば治ると思いますよ。治ったら来なくて良いですけど、一応次の予約取ります」
とても珍しい物を見たような気持ちで大病院を後にした。
この医師の下で治癒する気はしない。後日予約を取り消した。
一向に良くならない足は赤みを増し、熱を持っているのか、何となく熱い。
数週間後、気を取り直し、次は近所の総合病院に決めた。待合室で待つこと3時間、ようやく私の番だ。
四人目の皮膚科医。テキパキとした女性医師である。かなり早口だ。これまでのどの医師よりやる気がある様に見える。
私の症状に首を傾げながらも、最善を尽くしてくれそうだ。一日2回の塗り薬。サポーターで保護すると薬が定着し、倍の効力があると言われ、日々その教えを守っている。
私は相性の良い医師に出会えたのかもしれない。症状も改善している気がする。
この数ヶ月で四人の皮膚科医に出会った。四者四様、はてなマークしか残らない人もいた。
“医者”と一括りにする事なかれ。
ともあれ、我ら患者のためご尽力いただきたいと切に願う。