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YOASOBI「アイドル」と小泉今日子「なんてったってアイドル」
YOASOBI「アイドル」
発売年:2023
作詞:Ayase
作曲:Ayase
2023年の大ヒット。擦りに擦り倒されているけれども、改めて自分なりに。
(本稿では「推しの子」については考慮せず、あくまで本作の歌詞について言及いたします)
その前に、同じく「アイドル」という存在を歌ったものとして、想起されるのが、、
小泉今日子「なんてったってアイドル」
発売年:1986
作詞:秋元康
作曲:筒美京平
「アイドルはこうして作られてます」とはっきりネタバラシした作品、などとアイドル論などではエポックメイキング的な曲として必ず言及されます。
「イメージが大切」「清く正しく美しく」…
一貫して「演者」としてのアイドルが描かれております。しかし、なんだかんだで秋元康のワードセンスは切れわたってます。そして、こうした仕掛けアリアリのポップスでありながらも、全音が気品のあるメロディーを紡ぐ京平先生のお仕事。ほんとに名曲です。
そしてYOASOBIの方。
「嘘つき」「内緒」「秘密」「嘘はとびきりの愛」…
「虚構」としてのアイドルを余すこと無く表現しておりますが、
こちらの方は、これらの「虚構」を最後のフレーズで以下のようにひっくり返しに来ます。
等身大でみんなのこと
ちゃんと愛したいから
今日も嘘をつくの
この言葉がいつか本当になる日を願って
本当の愛を求めるための「嘘」であるといい、
やっと言えた
これは絶対嘘じゃない
愛してる
と締める。この「やっと言えた」というフレーズは、嘘で固めた抑圧から解放される様をありありと謳ってます。
4分にも満たない間でこれだけ展開させるのはやはり見事です。
どちらも「アイドル」の存在を歌ったメタ的な作品ですが、30年以上時を経ても、重なる合うところもあれば、変容しているところもあると感じた次第。
そして余談、、、
『ドラえもん』てんとう虫コミックス8巻
「ぼく、マリちゃんだよ」で、アイドル・丸井マリと入れ替わったのび太が、取材で好きな食べ物を聞かれて
「汁かけご飯!」
と答えてしまい、母親(ステージママ)に制止されるシーンがある。
単行本の初版が1975年、もうこの頃には「アイドルは虚像」てみんな分かってはいたんでしょうね。
(アニメ版では「卵かけご飯」てなってますが、、ここは「汁かけご飯」で押して欲しかったなぁ、、)