私の処方テクニック
皆さん、おはようございます。
週末は、いかがお過ごしですか、私は、外来で疲れております、
世もや、一日50人が少ないレベルになってきました、note生活もギリギリです、
さて、今回はですね、
偶には、
医師らしいことも語るか、ということで、私の処方テクニック3選を解説します。
今、思いつきの即興なので、大枠は合っていると思いますが、多少の誤りは、ご承知下さい。
❶エビリファイ←ラーの翼神竜
❷レクサプロ←青眼の白龍
❸ハルシオン←準制限カード
※補足:私は基本❸は処方しないです、既に処方されている場合に限ります。
順に解説します。
今日は、❶のエビリファイを解説します。
エビリファイ(アリピプラゾール)は、抗精神病薬です、つまり精神病(統合失調症)に有効ということです、
ただ、
適応疾患は、双極性障害、既存治療に抵抗を示したうつ病、
小児の自閉症スペクトラム症の易刺激性に対して、など幅広いです、
これは、
他の抗精神病薬とは異なり、ドーパミンD2受容体へ部分的に作用する、
パーシャルアゴニストであるが故です、
そのため、ブロックというよりは「刺激」という一面が強いです、
よって、
中脳辺縁系を刺激することとなり、脳の働きを良くさせます、
また、他の抗精神病薬と比較すると、
錐体外路症状やプロラクチンの上昇などは、ほとんどみられず、とても使いやすいです、
この特性を活かし、
先ほど述べた、既存治療に抵抗を示したうつ病、
小児の自閉症スペクトラム症の易刺激性などにも、応用できます、
また、
エビリファイは、1〜30mgと容量に幅があります、
これは、少量ならうつ病、中量なら統合失調症、高容量で双極性障害と、使い分けるためです、
例えば、
双極性障害の躁病相に対しては、いきなり24mg処方することがあります、
これは、刺激という一面より、「制圧」する方向へ働きかけるためです、
そして、
躁状態は早急に抑える必要があります、それは行動に予測がつかないため、
最悪の結末となる可能性があるためです、
また、
双極性障害の第一選択薬であるリーマス(炭酸リチウム)は、
効果発現に最低6週はかかります、そのため、一旦、エビリファイで制圧にかかる、
そんなイメージです、
エビリファイの弱点として、行動抑制障害があります、
これは、部分作動薬(パーシャルアゴニスト)としての一面があるが故です、
そのため、
アカシジア(静座不能)などを起こしてしまう可能性があります、
その副作用を抑えるべく、
抗パーキンソン病薬を追加することもあるでしょうが、私は一旦中止するか、減薬します、
ただ、
徐々に、受容体の感受性が低下するため、副作用は落ち着いていきます、このあたりの調整が難しいです、
また、
うつ病に対しては、原則、抗うつ薬を先行投薬していることが私の条件となります、
このようにエビリファイは非常に扱いが難しい薬となります、
数年前にレキサルティ(ブレクスピプラゾール)が、誕生しましたが、私はあまり処方しないです。
以上です。
精神科医ましろ
おまけ
あおぎりのインボイスの理解度