精神科医の現実
精神科医の厳しい現実について、
私の独断と偏見で、解説してみたいと思います。綺麗事はいっさい含まれていません。
①東京都で研鑽を積むのは難しい
東京一極集中の日本では、企業も数多くあるため、仕事は探しやすいでしょう。
しかし、精神科医は違います。
都内で、後期研修医(専攻医)として研鑽を積むには、日本専門医機構が定める、シーリングを突破しなければなりません。
つまり、定員があるということです。
東京都の精神科枠は過去5年間のデータで見ると、毎年90名前後です。
その枠からもれた者は、他の都道府県で仕事をすることとなります。
2018年以降、日本専門医機構が、大学病院、民間病院を束ね、定員を管理してるため、個人で直接病院とやり取りし就職することは許されなくなりました。
②給料は高くない
これは、東京都に限った話なので、あくまで参考程度ですが、
一人前になるまで、給料は高くありません。
大学病院の場合、最低賃金を下回るケースもあり、かなり大変です。
③キャリア形成のためには複数の病院を回る必要がある
これも、前述した日本専門医機構の定める、プログラムに乗った場合の話ですが、
精神科専門医、精神保健指定医を取得するためには、大学病院から地域の精神科単科病院まで、3〜4年間かけローテーションをする必要があります。
毎年、引っ越しをする可能性があり、大変です。
ここで、問題となるのが、育児中の女性医師です。
保育園や学校等もあるため、来年からいきなり「違う都道府県へ行ってください」と言われても正直、困ると思います。
④華やかではない
これは完全に私の独断と偏見ですが、精神科医は意外と激務で、華やかではないです。
給料も特別高いわけでもないし、難しいオペをして周りから称賛されることもありません。
極めて地味な日常生活を送っています。
⑤人気な先生、そうでない先生とくっきり別れる。
これは、私も耳が痛いですが、精神科医は接客業的な一面が強く、人間性を問われます。
事務的な対応をしたり、持論を押し付ける先生は患者様が離れていき、診療が成り立ちません。
私自身、書いていて、動悸がしてくる内容ですが、綺麗事を述べても、意味がないと思ったので事実を記しました。
しかし、声を大にして言いたいのですが、精神科医は非常にやり甲斐があります。
患者様と一緒に人生を歩む、そんな一面もあるため、仕事をしていて生きる意味は見いだせます。
受験、再受験を検討されている方は、精神科医も視野に入れて欲しいです。