自傷行為❷
参考書類:「自傷行為の理解と援助」松本 俊彦
参考書:「トラウマ」 宮地尚子
「現代社会 2019」 池上彰
現在、
自傷行為は、『嗜癖の一種』と理解されておます、また、自傷行為をする者の約半数に、
性的虐待や、『身体的虐待』などの被害体験があったことが、各調査で分かっております、
そして、
自傷行為は、
学校保健においても主要な問題となっており、
中学生・高校生の約1割(男子7.5%、女子12.1%)に、
刃物で故意に、自らの身体を傷つけた経験があるとされてます、
つまり、
自傷行為は、思春期の若者には比較的ありふれた現象であると、筆者は述べます、
私の意見としては、
『社会構造が複雑化』し、社会へ出る準備期間が伸びているため(此れを、青年期の延長という)、
30歳を迎える前の、
プレ成人期までは、自傷行為は広く認められる行為なのではないかと考えております、
閑話休題
自傷行為は、
トラウマ反応(自己破壊的行為)の一つでもあると同時に、トラウマ反応への対処でもあります、
激しい怒りや、気分の落ち込みなどの感情を和らげるために自傷行為を行います、
そして、『短期的』には、心の鎮静効果があります、
此れは、
自傷をする事で、脳内麻薬物質(エンケファリン、βエンドルフィン)が、脳内で分泌されて、
安心できるからです、
また、
自傷行為には、『解離反応』を誘発したり、『逆に解離から戻るなどの機能』もある様です、
自傷行為は、
気を引くための行為と思われがちですが、実際は、
『一人でこっそり』と行われているとされています、
そう、
自傷は、本来誰かに助けを求めたり相談するべきところを、
『自分一人で苦痛を解決しようとする行為』なのです、
その、
根底には、『人間不信』があるとされています、
また、
自傷には、前述の通り、嗜癖性があるため、『長期的』には命の危険もあります、
そして、
問題となるのが、精神保健の専門家からも「演技的・操作的行為」と、
みなされてしまっているという『悲しい現実』です、
筆者は、
自傷行為者への対応ポイントを8つ挙げております、それが、
❶『告白』は回復の始まりだと認識すること
❷ 頭ごなしに『禁止しない』こと
※此れに関しては過去の記事で触れております
❸『肯定的側面』を認めてあげること
※私は、否定はせず全面的に肯定もしないと解釈しております
❹『切らない約束を求めない』こと
❺『一人の援助者』が抱え込まないこと
❻ 親に内緒にしないこと
❼ 他の若者に知らせないこと
※私は、本人が孤独に苦しまないように、SNSで情報発信するのは、
否定は出来ないです
❽ 精神科治療の罰則を課さないこと
※この罰則とは、「今度したら入院」のように、本人をより追い込まないためです
です、
兎に角、本人は自傷行為を、辞められずに苦しんでいることを、
深く理解する姿勢が肝要でしょう、
最後に、
治療の趣旨は、自傷をやめさせることではなく、
自傷行為の背景にある困難な問題を見極め、それを軽減することです、
支援者は焦らず、戸惑いながら、本人と向き合って下さい、以上です。
精神科医ましろ
おまけ
リーダーの最後の一言w