自らを殺める方達(※重い表現が含まれています)
私は、精神科医の外来を7年し、色々と、苦しい思いをしてきた。
勿論、
患者様を正しい方向へ、導き、喜びを感じる事もあるが、中には、病状が悪化してしまったり、
「良くなった」と思いきや、通院が途絶え、後日、飛び降りや首吊りなど、
自らを追い込んでしまったという、報告を受けることもある。
そんな時、
私自身も、途轍もない絶望感や希死念慮に襲われる。
だが、
私には、まだ、「悲しんでくれる人」がいるため、「今は」、死ぬ訳にはいかない。
精神科の外来は、患者様との繋がりで、成り立つ仕事、
私は、できる限り、患者様に「生きる意味」を提供しなければならない。
こんな、取るに足らぬ、私と話すことが、命綱になるのであれば、私は喜んで話を聴く。
そして、
自らを殺めてしまう人には、「3つの共通点」とも言える、危険因子が存在する。
それは、
1遺伝的負因
2所属感の消失
3衝動性
である。
勿論、
職場での超過勤務やパワーハラスメントなど、分かりやすいマイナス要素もあるが、
この3つは中々、短い診察時間では読み取れないこともある為、注意しなければならない。
よく、芸能人が、突然、自らを殺めることがあるが、
私の経験則として、3の衝動性が強く関係しているのではないかと思う。
そう、
客観的には、とても幸せそうである筈なのに、自宅で一人になった時、ふと、魔が差してしまうのだ。
そして、
このケースの場合、とても人柄や愛想がよく、人間関係も、何ら問題ないケースが多い。
なので周囲は「何故」と驚きを隠せない。
もし、
貴方の周りに、とても、お淑やかであるが、どこか闇を抱えていそうな方が居たら、気にかけてあげて欲しい。
そして、
この3つが重なった場合は、とても危険だ、
本人は、何のために生きているのか分からなくなり、混乱し、「人生に疲れた」と最悪の結末になってしまう。
かなり、重い話になってしまい、申し訳ない。
最後に、一言、辛い時は、必ず誰かと一緒にいて下さい。
精神科医ましろ
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