鬱病になった医大生

私はずっと努力家だと言われてきた。ストイックなんて言葉もよく使ってもらったように思う。自分の中では楽しんでやっているから努力家であるなんて身に余る言葉だと思っていた。

しかし高校を出て浪人をし、医大に入ると環境は一変した。少しずつ背負うものが出来始めたのだ。今まで積み重ねてきた知識、人間関係、学歴、、まだ結婚もしていなければ子供もいない、自由の身であるはずなのに、ここまで積み重ねてきたのだから、サボる訳にはいかない、という意識に変わっていったように思う。少しずつ義務感のために日々を過ごすようになっていった。

また学業と並列してボディビルにも取り組んでいて、コンテストにも4回出場した。Yahooニュースにも載ることができた。周囲からは医大生、医大の中ではボディビルもやってる人、と目線が少しずつ変化していき、成績など気にせず自由に知的好奇心を満たして生活する高校の日々からは少しずつ離れていった。

年々、グラデーションをかけていくように外に対する興味が失われていったのだ。最初はゲーム。中高時代はこれさえあれば一生楽しく生きていけると信じて疑わないほどにやり込んでいたポケモン、スマブラといったゲーム達。浪人を終え、大学生になったらまた新作を買って腐るほどやり込むと決めていたのに、気がつけばストーリークリアすらできなくなった、何が面白いのか分からなくなっていた。

恋人もでき、毎週どこかへ行くのが楽しみだったのに、それがいつのまにか億劫になっていた。全てがつまらなく感じ、4年間付き合った末に別れた。

その後どんどんおかしくなっていった。勉強やトレーニング以外の、社会的価値に直結しない行動は自分の中で全て無駄なもの、やっても意味が無いものにすげ替わり、暇な時間をベッドで全て寝て過ごした。SNSやYouTubeなどこそ無駄な時間のはずなのに、ボタンひとつで手に入る欲してもない高刺激の依存に逆らえず、一日の終わりが来る深夜に、ああ、このままでは今日が無駄になってしまう!と勉強やトレーニングをボーッとした頭でやり始める有様だった。

夜眠るのも怖かった。夜眠るとすぐに明日が来てしまう感じがして。深夜に勉強、筋トレ、ネットをし、日中はずっと調子が悪く、休日は自分から外に出かけられない。そんな毎日であった。

どんどん酷くなっていき、ある日自らの医学知識とあわさり、自分が鬱病であることに気がついた。

幸いまだ仕事や学問は最低限こなせる状態で、留年などはしていない。そして周りの友人に非常に恵まれていたので、今少しずつ失われた○年間を取り戻していくことができている。このNOTEもその一環である。

抑うつ状態とは、私流に言い換えるならば、肉体と精神の両面が低下する。まず精神は、一日中暗くずっと落ち込んでいるのだ。とにかく寂しく、悲しく、虚しく、マイナスの気持ち。鉄や鉛の金属棒が喉の奥から腹まで入ったような重たい、胸が締め付けられる感覚。

そして肉体面はエネルギーがとにかく少ない。何も出来ない。不眠、もしくは過眠傾向になり、体力の回復も遅い。セロトニンの分泌不全で睡眠の質が下がるとかだったような。

そんな中友人sontsuと議論を酌み交わし分かったことが前記事【革命の日】である。自身の体力や気力(リソースと我々は呼ぶ)をなるべく浪費せず、意思ではなくシステムで物事を推し進め解決する。

これは抑うつ状態の私にも効果てきめんであった。
具体的には、生活に不要なもの全てを切る事から始めた。不要な人間関係、SNS、YouTubeなど、受動的にストレスや高刺激の依存を働きかけてくるコンテンツは現代社会にありあまっている。それらは無自覚に脳を疲労させ、一日中倦怠感を引き起こし、鬱を加速させ、やるべきことをやれなくし、強迫観念を強める。

日常に必要な、自分が求めるもの・・・・・家事、体に良い食事、運動、勉強、面倒な仕事、落ち着く人間関係……

我々も、これをお読みくださっている方も、本当に必要なモノ、やらねばならないことは全て低刺激なものなのだ。低刺激だから重要性や幸福度が低いのではなく、全くの逆である。

低刺激で重要で幸福に繋がるものを、抑うつ状態でもできるようにするには、低刺激を頑張って重い腰をあげて行おうとするのではなく、日常にはびこる高刺激を徹底的に排除すること。意思ではなく環境、システムで解決すること。それを徹底することにした。すると以前より日々は彩りを持ち、勉強、運動をする余裕が生まれ、時間におわれず、無駄な時間を過ごすことが著減し、こんな文章を、世に出そうという試みまでできる余力が生まれた。

特に負担のかからぬよう、自由に、社会や仕事で成り上がる、自分の生活を幸せにする、そのための気づきを、これからこのマガジン?note?で投稿し、アウトプットしていけたらなと思う。

よろしくお願いしますm(*_ _)m

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