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別角度のキーボード沼
配列の沼
minipeg48を使うようになって以降、私もすっかりキーボード沼はまり込んでしまいました。
とはいえ、普通キーボード沼といえば、やれ、もっといいキーボードが欲しいだ、色々なスイッチを試したいだ、キーキャップに拘って見た目にオリジナリティを出したいだ、と言ったハードレベルのお話だと思います。私も別に例外ではないのですが、私は実はちょっと違う方面の沼にもハマりそうでして…
それが、キー配列の沼。
「なんだ、キー配列って、やっぱハードじゃねーか。お前、散々オーソリニアがどうこう力説してたじゃん」
って声が聞こえそうですが、違うんですよ。そっちのハード的な配列のことではなく、例えば「QWERTY配列」と言えば解ってくれますかね。キーマッピングと言った方がいいのかも知れません。
で、いきなり核心を言ってしまうと、「QWERTY配列やめまーす」って話です。
QWERTY配列とは
では、そもそもQWERTY配列とはなにか。
![](https://assets.st-note.com/img/1720885284217-KYKar0tcel.png?width=1200)
この図をご覧ください。これがQWERTY配列。アルファベットキーがこの配置で並んでいるキーボードを指します。アルファベットキー一列目の左端「Q」から、右向きに並んでいる6文字を取って、「QWERTY配列」と呼んでます。
察しの良い方はお気づきでしょうが、市販のキーボードはほぼ例外なくQWERTY配列です。
そもそも、QWERTY配列自体、特に並び方に何かの規則性があるようにも見えず、そのことがタッチタイピングの習得難度を非常に高いものにしているのですが、そもそもなんで、こんな異様な配置がスタンダードとして出回っているのでしょう。
詳細は省きますが、これは遙か昔に出回っていた「タイプライター」という英字を打つ機械の、構造的な都合で決められたもので、それが現在のキーボードに至るまで引き継がれているということです。
重要なのは「構造的な都合で」というところで、すなわち人間が打ち込みしやすいように考慮された配列ではないんですね。
人によってはキーボードでローマ字日本語入力してると、なんか無駄に指があちこち振り回される感覚を覚える人もいると思います。これはそもそもQWERTY配列が日本語入力を想定して作られているものではないので、当然と言えば当然ではあります。
Dvorak配列の誕生と普及の壁
しかし、英語圏の人たちにとっても、QWERTYは別に使いやすい配列というわけではないようです。それは、もともと機械的な都合で決められたものである事実によるものなのですが、実際、この機会寄りな配列を人間側に寄せようという試みはあって、Dvorak配列というものが開発されています。
この配列は理論上はQWERTYより優位点が多いのですが、やはりデファクトスタンダードの壁は厚く、今でも「知る人ぞ知る」程度の普及率に留まってるのが現実のようです。私も存在自体は以前から知ってましたが、Dvorak配列キーボードの実物を見たことも、使っている人にお目にかかったことはありません。
Dvorak配列は両手の役割を「子音担当」と「母音+α担当」に分けるという設計思想から、日本語入力を想定はしていないものの、日本語入力にもそれなりに恩恵がありそうです。実際、日本にも少数ながらDvorak配列の利用者はいるらしいです。
そう、自作キーボードならね
私はと言うと、QWERTYに疑問は持ちつつも、まあ世の中QWERTYの物理キーボードしかないし、他の配列試そうと思ったらソフトウェア的にエミュレートしないといけない。それって環境変わったら使えなくなるってことだし、習得コスト払ってまで移行するほどの価値はないかなと思ってました。
しかし、minipeg48を手にして自作キーボードの沼に足突っ込んでいた私は気づいてしまったのです。
そう、自作なら非QWERTYの物理キーボードが作れてしまうという事実に。幸い、minipeg48なら持ち運びも容易なので、これさえ携行しておけば、どこでも特別な設定無しに非QWERTY配列のキーボードが使えるわけです。
というわけで、早速ファームウェアの更新を敢行しましたよね。
![](https://assets.st-note.com/img/1720921380720-WxN9mhYuSx.png?width=1200)
ホームポジションが視認しやすいよう、一部黒の無刻印キーを使ってますが、左がA、右がTです。
「ん?なんかDvorak配列とも違くね」と気づいた貴方は鋭い。
これ、実は「Astarte配列」と呼ばれるものです。
日本語入力を考慮した非QWERTY配列
キーボードを非QWERTY化するにあたり、Dvorakでも悪くはないんですが、日本語入力をきちんと考慮して作られたものが無いかと思い調べてみると、やはりいるものですね。同じような事を考えて真剣に研究している賢者達が。
それほど念入りに探したわけではないのですが、以下の4種類の配列が見つかりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1720925274045-2bshcioodP.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1720925446725-0ACwrM9CYN.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1720925708821-H0QFSNqefL.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1720926192023-2fngvDyHvM.png)
この中では大西配列とtomisuke配列が比較的新しいようです。
この中からAstarteを選んだ理由は大きく2つです。
ひとつは、「ITエンジニア向け」を標榜していること。そう、まさに私のような人間を想定してるという安心感。
そしてもう一つ、これが決定打と言っていいくらいですが、「P」の位置です。
奇しくも、Astarte以外は全てPは右上隅に置かれてます。実はQWERTYもそうですね。で、オーソリニアを使うようになってよくわかったのですが、ここって多分ホームポジションから一番押しにくいところです。
つまり、Astarte以外はPは使用頻度が最も低いレベルと判断しているということになるのですが、Pって意外と使わないですか?
QWERTYでオーソリニア使ってると、Pの押しづらさに小さなストレスを感じる場面が結構あったんです。つまり、意外とPは使っているはずなんです。なので、それがQWERTYと同じ位置にあるのはちょっと…ということで、Astarte以外は消去法で消えました。
多分、これが「ITエンジニア向け」って事なんでしょうね。ITエンジニアはプログラミングで英語を打つ機会が少なくないので、Pの遭遇率が他の人たちよりも高いのでしょう。
というわけで
早速Astarte配列に変更したファームを書き込んで運用してます。
この記事も無理矢理慣らす意味でAstarte配列で打ち込んでますが、まあ、当たり前だけど入力の遅いこと遅いこと。ただ、手応えはありますので、何とか不自由なく使えるレベルになるまで頑張ろうと思います。