やるぞ!自作レバーレス[そして完成へ]
前回までで、機能的にはほぼ完成に至った自作レバーレスコントローラー。
ここからは、外装を整える作業になります。外装用に用意した資材は、以下の3つです。全て、ホームセンターで揃えました。
左上は、底板用のMDF板。左下は天板用のアカシア集成材。右は、中板用のコルクシートです。MDF板とアカシア集成材は、既に基板の大きさに合わせてホームセンターのカットサービスでカット済みです。
天板穴開け作業
まずやることは、天板となるアカシア集成材に、PCB基板に取り付けたキーを通すための穴を開けることです。
天板はこのPCB基板の上に被せるので、キーが通るよう穴を開ける必要があります。
この作業を実行するに当たって、3つの手段を考えていました。
加工業者に頼む
糸鋸でくり抜く
ノミで彫る
このうち、加工業者に頼む選択は、ホームセンターで材を調達した時点で消えました。こういう業者はほぼ例外なく、板購入時のサービスとしてカットサービスしている体なので。しかも、中をくり抜くような加工は結構作業料金も嵩みます。ネットで発注するので送料もかかる。
結論からいうと、ノミで彫る選択を取ったのですが、糸鋸を選ばなかったのは、アカシア集成材という材が比較的硬く、手動の糸鋸だと刃を何本も折ってしまう予感があったためですね。電動糸鋸でもあれば良かったのですが、さすがにそんなモノはありません。
と言うわけでノミで穴を掘っていくわけですが、これは本当に地道な作業でした。会社の仕事が終わって、その後の寝るまでの時間をほぼ全て使う感じで、2日ほどかかってようやく開けましたね。
それがこちらです。
が、実際に基板に被せるとうまく被らなくて、さらに穴を広げる作業が必要だったりで、結局基板のキーを通せるようになるには、ここからさらに1日ほどの時間を要することになりました。
中板(コルク)の処理
中板は、基板と底板の間に入る板です。基板に貼り付けたマイコン(Raspberry Pi Pico)の部分を切り欠くことで、マイコン(およびUSB端子)を収める空間を作るためのものですね。
実は、PCB基板にはマイコン以外にも、はんだ付けの小さな突起があり、中板にクッション性のあるコルクを使うことで、こういった突起を吸収しようという狙いがあったのですが、この後仮組みをしたときに、思ったほど吸収してくれないと思ったので、結局のところ各キーの部分もくり抜くことになりました。このあたりはコルクなので加工は楽でしたね。カッターで切れるし。コルクを選択したのは正解でした。
仮組み立て
さて、ここまで出来たら、底板、中板、基板、天板に組みネジを貫通させる6箇所の穴を開け、一度実際に組み立ててみます。
こうして仮組み立てした状態で、色々なことをチェックします。実際にギルティのトレモで操作してみたりした結果、いくつかの問題点が見つかりました。
まだ天板の穴の縁に微妙に引っかかるキーがある
コルクの中板が思ったほどはんだ付けの突起を吸収してくれない
手前側のエッジが、意外と手首と接触することが多く気になる
天板の穴の縁は、単純にノミを使って穴をさらに広げることで解決。
コルクの中板は、はんだ付けのあるキーの部分をカッターで切り抜くことで解決。
そして手前側のエッジの件は、80番手の紙ヤスリで擦りまくって角を落とし、テーパーを作ることで解決しました。
こうして仮組みして発覚した問題を解決した時点で、ハードウェアとしてはほぼほぼ完成です。
天板の塗装
このままで完成としても良いのですが、個人的なこだわりで、天板に塗装を施しました。
ヤスリで徹底的に平滑化し、ステインで濃いめに色を付け、ニスを重ね塗りして最終的に塗膜を2000番手の耐水ペーパーで平滑化した結果…
写真を撮影している私の姿が映り込んでいるのがわかりますかね? ここまで仕上げると、ウレタン塗装のつるっとした感触が実に心地よい。
使用中に手汗を書くと木材が汗を吸い込んでしまいますから、着色はしなくても、最低限ニスは塗った方が良いと思いますね。
そして完成…か?
天板の着色が完成してから、改めて組み立てです。
左上が基板、左下が天板、右上が底板、右下が中板になります。天板、基板、中板、底板の順に重ねて、6箇所を組ネジで留めれば…完成です。
が、しかし。完成したぞと喜び勇んで接続し、ギルティギアのトレモで動かしてみたのですが、微妙な違和感が…
なんかPに割り当てたL2ボタンの反応が渋い。押し込んでも反応しないことがある。
前回記事の時の経験から、こういう時ははんだ付けの不良の可能性が高いとわかっていました。よって、いったんバラしてPCB基板にはんだを継ぎ足し、改めて組み直しました。
そして、改めてトレモで、反応が改善されたことを確認しました。
これで、めでたく完成です!!
概観写真
というわけで、キーボードの操作感を保ちつつ、余計なキーを省き、さらには右手移動という私の変態設定を満足する、夢のオリジナルレバーレスコントローラーが、めでたく完成しました。
正直、天板の塗装はもう少し薄い色にすべきだったかなぁとは思います。色が濃すぎて木目がイマイチ映えないんですよね。
ヤスリをかけすぎて塗装が少しはげてしまったり、天板に開けた穴が直線になりきってなかったりなど、やはり細かいところには素人臭が残ります。
アカシア集成材の天板、PCB基板、コルクの中板、MDFの底板の4枚重ねです。長女に見せたところ「なんか美味しそう」と言われましたwww
左右のホームポジションのキーには、マーク付きのキーキャップをはめ込みました。これは私の小さなこだわり。
手前側は角を落としてテーパーになるまで削り込み、手首が角に触れないように加工してます。
右上のキーが天板に映り込んでいますが、これは徹底的に塗装を磨き込んだ賜ですね。
今回、天板はアカシア集成材で作りましたが、見ておわかりの通り、交換は可能なので、別の色に塗装した天板を別途用意したり、あるいはアクリルで作って下にイラストを挟んだり、なんてこともやろうと思えばできます。アクリル天板はそのうち作ってみるかな…
完成品のサイズは、重量が936g、サイズは横幅274mm、縦幅221m、厚さ 23mmです。
一般的なアケコンに比べると薄めだと思いますが、薄型というには厚い、というサイズ感です。まあ、これは今使っているキーボードの高さに合わせているので、ある意味狙い通りではあります。
重量的には結構どっしり感があり、設置時に安定感もありますね。
色が濃すぎたかなぁとは思いますが、見た目の質感と天板の触感はかなりお気に入りです。
なんか何もキーを置いてない、だだっ広い下半分は何なんだ?と思う方もいるかもですが、これはパームレスト領域です。タイピングライクに、手首を固定して運指だけで操作する場合、パームレストが無いと手首が死ぬという以前得た教訓に基づき、筐体とパームレストを一体化してしまったわけですね。
これからしばらく、トレモなどで慣らしていこうと思います。
さて、ハードウェアとしてはこれにて完成ですが、次回、番外編として[設定編」を予定しています。ご期待?ください。
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