迷探偵N青木〜威圧的な背中〜
〜翌日〜
昨晩は空振りに終わったが、改めて今日謝罪に行こう。
仕事を終え肉まんを手に取りに居酒屋Aに到着。
よしっ今日は営業している。
緊張故、通報レベルの口臭で深呼吸をし入口をあける。
いつもは目を合わせて声に出して「N青木くん!!」って言ってくれるアオさんが口パクで「やばいよ」と言っている。
これはほんとにやばい、、、源さんのご立腹はいまだに続いてるようだ、、、
突き刺さるような殺気、、、
源さんは後ろを向いていた。
ユニフォームの背中の皺が「殺」と読めてしまう、、、
ふとカウンターを見るとカロさんがすでに飲んでいた
でもこっちを見てくれない。
源さんがこちらに体を向けた!間髪いれずに真剣に言った!
「先日はご迷惑をおかけしてすみませんでした!!!」
「、、、今忙しいから」
これから撲殺しようとしてる人のトーンだ、、、
怒っている、、、終わった、、、
僕も撲殺される、、、
「とりあえず座ったら?N青木くんお酒やめたんだよね?」
とアオさんが言う。
冗談なのか、本気なのか、そうゆうことを僕が先日言ったのかもはや分からない。記憶の視界は真っ暗だ答えが何も見えない、、、
とりあえず話を合わせた
「あっ、はい、、、やめました」
すかさず、カロさんが口を挟む
「飲み屋さんでお酒頼まないのは失礼やで」
「すみません!ビールいただけますか、、、?」
僕の禁酒記録は数秒で終わった。
意志皆無の発言にアオさんはクスッと笑ってくれた。
しかし、源さんはくすりともせず、一回も目を合わせてくれない、、、
店内がぴたりと静かになった時、
源さんが調理の手を止めて口を開く
「N青木くん、先日はありがとうな」
怒りを通り越した究極の嫌味な言葉がお通しより先に僕に届けられた