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玉袋おじさんの冒険
土曜日、昼寝から目が覚めて、寝室からリビングに向かう僕に、仰向けの妻の上に馬乗りになりながら、
「玉袋をくらえ〜!」
と叫んでいる息子の姿が目に入った。
でも、さほど僕が驚かなかったのは、寝ぼけていたこともあったけれども、それ以上に、
うちの子ならまあそうだよな
と思ったからだった。
その後、すぐに僕の存在に気づいた息子は、妻とのその寸劇を中断して、僕に向かってさっきまで自分が演じていたキャラクターについて説明をし始めた。
息子曰く、
彼は、伸ばすと頭の上を超えるくらいの立派な◯玉袋を持つ
玉袋おじさんという人で、
年齢は54歳らしい。
突然、アナウンサーになりたくなったおじさんは、窓ガラスを割って、ある人気アナウンサーの家に侵入し、そこで彼に成りすますために、まずはその自慢の玉袋でアナウンサーのほっぺを殴打して彼を気絶させようとしていた
ということらしかった。
なるほど、だから、さっきの玉袋くらえ発言の後に、彼は
ぺしぺし
とか言っていたのね。
って
くだらなすぎるわっ!
と思わず呆れ果ててしまったけど、そんなこちらの心境を知ってか知らずか、息子の話はさらにエスカレートしていった。
彼の玉袋にはえた毛(ち◯毛)はすごい剛毛でトゲのように痛いんだよ!
さらに、その毛は、鬼太郎の髪の毛針のような飛び道具にもなるんだ!
一瞬、僕の脳裏に、たくさんのち◯毛が自分めがけて一斉に飛んでくる映像が浮かんできた。
そんなん嫌すぎるわっ!
でも、我が家のコンプライアンス的にはこの程度の発言ならぎりセーフなので、僕も妻もふんふんとうなづきながら彼の話を聞いていた。
しかし、その後に
「そしたら、おじさんのぱおんが…。」
とか彼が言い始めたので、ここでついにN.O.T.E家倫理規定第185条に抵触したため、このネタはあえなく強制終了となったのだった。
残念だけど、さすがに、ぱおんは、まずいよね、ぱおんは。
しかし、男性のアレを象の鼻にたとえて、ぱおんと表現する息子の言語センスは素直に讃えてあげたいとは思う。
そして、そんないつものくだらなすぎるやり取りの後、僕ら家族三人は、晩ごはんを食べに近所の焼き鳥屋さんへ出かけたのだった。
その道中、僕が
昼はまだ真夏日のように蒸し暑かったけど、この時間になると、気温も下がってずいぶん過ごしやくなったなあ、などと
移ろいゆく季節を肌身に感じながら感慨に浸っていると、先ほどまでとは打って変わって神妙な面持ちをした息子が、突然、こんなことを尋ねてきた。
「あのさあ、ぱおんって長いのと太いの、ぶっちゃけ、どっちがいいのかな?」
僕は、少し考え込んだフリをした後、
「どっちかと言うと、太さかな?」
と答えたのだった
(異論は認めます)
というわけで、もうすぐ秋ですね。
しかし、我ながらなんちゅう話や…。