いわゆるこれが、ニトリ伝説
この広いnoteの世界では、今日もボクが知らないところで、きっとさまざまなドラマが繰り広げられているに違いない。
そして、それを承知の上で、今回、僕が実際に目の当たりにしたひとつのドラマを、みなさんにご紹介したいと思う。
それは、きっと取るに足りないドラマかもしれない。
でも、聞いた人はみんな、ふふふ、と微笑んでくれるようなドラマであるとも確信している。
そのドラマの主人公は二人。
そして、脇役には僕を含めて冷やかしのモブが数名(中野たむとかマサ斉藤とか、ってなんのこっちゃ)
主人公の一人は、一度、耳にした人は必ずその虜になってしまうほどの魅力的な声を持つ女性、スガキヤちゃん(仮名)
当時の彼女は、毎朝、近所をお散歩しながら、その時々の自分の思っていることをスタエフで音声配信をしていた。
「あ、なんか素敵な声だな」
から始まって、自分の身に起こったことは楽しいことも悲しいことも全て包み隠さず全力で表現する彼女の姿にいつしか多くの人がゾッコンLOVEになっていた。
そして、彼女が話す内容に彼女のファンが文字でコメント返しする。
というコール&レスポンスの関係性が自然と出来上がっていた。
実はスガキヤちゃんは、ある病気を患っていた。
そして、その病気のことで、時折、激しく落ち込むことがあった。
その度に、なんとかまたあの明るい笑顔を取り戻してもらいたい、とハラハラしながらも励ますみんな
でも、数日後には、自分でなんとか気持ちを立て直してルンルンと鼻歌を歌い始める彼女の姿を見て、むしろ心配していたはずの僕らの方が励まされる
というのが、当時のお約束的展開だった。
あと、お散歩中に、彼女が必ず国道沿いのニトリを通り過ぎることも。
そして、そんなスガキヤちゃんには、実はずっと憧れていたヒーローがいた。
noteで知り合ったらしいそのヒーローは、そんな彼女の気持ちを知ってか知らずか、たまに彼女の配信を聴きにきては、他愛のないコメントを残していた。
そんなある日のこと。
その日もお散歩中だった彼女は
いつものようにニトリの前を通り過ぎようとしていた。
すると、ちょうどそのときだった。
「スガキヤさんですか?」
と彼女が声をかけられたのは。
声の方角を見ると、そこにはスーツ姿の一人の男性の姿が。そして、彼の傍には、愛車の赤いロードスターならぬ、一台の軽トラックが止まっていた。
「ど、どなた様ですか?」
と怪訝な表情でスガキヤちゃんが尋ねると、
彼は
「◯◯です」
と自分の名前を名乗った。
それを聞いた瞬間、彼女は
ギャー!と叫んで、逃げ出した
いや、違った。
キャー!と叫んで喜んだ。
そう、彼こそは彼女の憧れのヒーロー、
おひたちさん
その人だったのだ。
まあ、コミュ障気味の彼のことなんで、どうせ聞き取れないくらいの小声で、気の利いたことなどまったく言えなかったのは容易に想像がつくけど、彼女にしてみたら、
おそらくこれまでの人生で一番くらいの
幸せなドッキリ
だったに違いない。
ちなみに、このときのことは、おひたちさん本人がちゃんと記事化してくれたため、多くの人が知ることとなる。
あと、その年の12月には、おひたちファン有志数名が、ニセおひたちになって聖地(ニトリ)巡礼するという意味不明なスピンオフドラマもあったけど、完全に蛇足なので、この話はまた別の機会に。
そして、今、そのドラマの主人公は二人ともnoteを去ってしまったけれど(でも、二人の交流は未だに続いているようだ)
あのときのこと、あのときのみんなの笑顔をたまに思い出しては、ニヤリとしている自分がいる。
そして、そんな他愛のないドラマがまたどこかで繰り広げられているに違いないこのnoteのことが僕はなんだかんだ嫌いじゃない。
そして、誰よりも欲張りな僕は、またそんな面白いドラマに出会える予感に今も懲りずに胸をときめかしているのだ。
了
この記事は、この企画への参加記事となります。