うんこ家族
「誰なの!今、うんこをしたのは!」
リビングで妻が叫ぶ声がしたので、慌ててお尻を拭いて、トイレのドアを開けて、いさぎよく自首をした。
「ぼ、僕ですけど…」
けど、よくよく考えると、うんこして怒られる筋合いもないような気もする。
すると、妻も、自分がおかしな発言をしたことに気づいたらしく、急に腹を抱えて笑い始めた。
どうやらさっき猫のマルがしたうんこのあまりの臭さに腹が立って、思わず反射的にさきほどの発言をしてしまったらしい。
このやりとりを見ていた息子がすかさず突っ込む。
「うんこしたら怒られるとか、マジありえへんわ!」
それに乗っかって僕が、
「晩年の(暴君化した)毛沢東でも、さすがに、国民に、うんこするな、とは言わなかっただろう」と言って、また三人でゲラゲラ笑い合った。
これに限らず、僕ら家族間における、うんこやそれに類いする単語(おならとか)の出現頻度は、かなり高い方だと自負している。
そんな私たちを一言で形容するとすれば、やはり
うんこ家族
になるだろう。
そして、僕はやはりどうかしているから、そんな家族のことが頼もしくて仕方がない。
彼らとうんこ、うんこ言いあう日常を過ごしていると、あんなくさくて無意味なものを毎日出す生き物が、立派なわけないじゃん、とちゃんと思えるからだ。
人間は馬鹿で弱いから、油断すると、すぐに偉そうに、ひろゆき的に言うところの、
それっていわゆるあなたの感想
を他人に押し付けてしまう。
というか、僕も何度、そんな過ちを犯してきたか分からない。
けど、ぶっちゃけ家族円満とか子育ての秘訣とかそんなこと分からなくても、同じ屋根の下、
とりあえず毎日、ちゃんとクソして寝る姿をお互いに見せつけ合うだけで、もう充分なんじゃないだろうか
というか、親とか子供とか関係なく、1人の人間として、もがき苦しみながらも全力で生きているなら、もうそれだけでいいと思う。
だから、そんなに自分を責めなくていい
と思いますよ。
たとえ、たまに渚になったとしてもね←
まあ、これもまた、あくまで僕の感想に過ぎないんだけどね。
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