晴れの日をサービスする人たち
僕が雨の休日をそれほど嫌いじゃないのは学生時代に、彼らのこんな曲をヘビロテしていたからに他ならない。
彼らの名前はサニーデイ・サービス。
その名の通り、雨の日だって晴れにしちゃう魔法の使い手たちだ。
話は変わって、大晦日に紅白を見ながら、きちんと歳を重ねることの難しさを僕は痛感してしまった。
というより、芸能人だから仕方がないのかもしれないけど、年不相応の皺のないつやつやの肌や、それでも隠せない小じわを一瞬でvanishする、目を細めるくらいまぶしいバックライトを浴びている年配アーティストの方々を見ていると、まるで
老いることは悪だ
くらいのメッセージを勝手に受け取ってしまい、僕は途端に憂鬱になってしまった。
そして、きっとそのせいだろう。
昨日、家族で息子が生まれたときのアルバムを開いていたときに、妻と息子から、
「お父さん、この頃は若かったね〜。今と違って肌もピチピチだし…」
と言われたことに意外にもショックを受けている自分がいた。
しかし、そんな風に曇りがちな僕の気持ちを晴れにしてくれたのも、また彼らだった。
元旦、早々に届けられたサニーデイのPVに登場する最新型の彼らの姿は、僕と同じ
アラフィフのおっさん
以外の何者でもなく、
しかし、そんな薄汚く年老いたおっさんの口から溢れ出す歌声は、下手したらあの頃よりも、innocentでエバーグリーンなみずみずしさに溢れていた。
気づいたら、僕は
「やっぱり目指すならこっちだよな」
とつぶやいていた。
そして、自然の流れでGEZAN のマヒトゥ・ザ・ピーポーが歌っていたあのフレーズを思い出す。
「皺が増えていくのをキレイと言う君がいれば、もう少し人間を続けてもいいはずさ」
ああ、そうだよな。
軟骨もすり減り、日々体力の衰えを実感するフラジャイルな僕だけど、これからも遠慮なくみんなの力を借りながら、
人間として生まれることができたこの一生を、
いつかその時が訪れるまで、
全力で楽しみ尽くすつもりさ。