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友達もいなくなって、baby it's blue

土曜日の昼下がり

ソファの上に寝っ転がって、そして、その僕のお腹の上には息子が乗っかって、そんなおんぶバッタみたいな状態で、僕はフィッシュマンズの「空中キャンプ」を聴いていた。

フリース越しにじんわり感じる息子の体温の温かさになんだか僕は泣きそうだったよ。

話は変わって、最近、mixi2というSNSが流行っているそうで、なんだか仲の良い友達同士でわちゃわちゃやりとりできるのが楽しいということだった。

でも、僕にはそーゆー風になんかわちゃわちゃできる友達グループはいないから、自分とは関係のない話としか思わなかった。

というか、僕には愛する家族がいるし、一対一なら割と仲良くできる友人も何人かいるもんね。

別に興味なんかないよー、と言いながら、どうして僕は今泣きそうになってるんだろう。

そんな僕の頬を30年の時を越えてスピーカーから流れてくる佐藤伸治の柳の下の幽霊みたいな、もしくは赤ちゃんの泣き声みたいな声が優しく拭ってくれた。

友達もいなくなって、baby, it's blue.

他人にとっては取るに足らない当たり前のものにこんなにも憧憬を抱いている自分はきっとちょっと頭がおかしいんだろう。

こんなにも満たされているのに、こんなにもさみしい気持ちになるなんてどうかしている。

でも、それは決して僕だけじゃない

いや、本当はみんな僕とおんなじなんだ

ってフィッシュマンズの曲の中を漂っているときだけはそう思うことができるし、こんな僕でもこのときだけは、不思議となんだかどんな人にもやさしくできそうな気持ちになるのだった。

みんな本当は大好きだったよ、baby,it's blue.

<おわり>

本日、3本目。れおさん、一応、ミッションは達成したよ。けど、読者の方が読むの大変だと思うので、このミッションは今日限りするねー。

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