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多分、付き合えてたやつ

数年前に流行った「やれたかも委員会」という漫画。

タイトルが露骨すぎて敬遠されていた方も多いかもしれませんが、これがなかなかどうしてまだ微妙な関係性の男女の心模様を的確に表現していて、なかなか面白かったなあ、ということをさっき駅から家までの道すがら唐突に思い出したのだった。

何故にこのタイミングなのかはよく分からないけれど、ひょっとすると連日のこの肌を突き刺すような寒さのせいかもしれない。

で、ついでに自分自身の過去を振り返ってみたところ、元々、性欲があんまりないタイプなので(注、インポではない)、そもそも「やれたかもしれない」と思ったことがなかったことに気が付いた。

けど、「もしかしたら付き合えたかもしれない」と思ったことは、これまでの人生でたぶん4、5回くらいはあって、今日はそのうちの一つを披露するので(本邦初公開)、読者の方にはぜひあの漫画と同じように、審査員席から

「付き合えた」

「付き合えたとは言えない」

の立て札を上げてもらえたら嬉しいです。もし満場一致した場合は、参加者の方全員に豪華特典?を差し上げますので。

というわけで、前置きが長くなりましたが、本文のはじまり〜はじまり〜

あれは僕が工場労働者から営業マンに加齢なる、いや華麗なる転身を遂げてから4年ばかりが経った頃だろうか。

当時の僕は、元来、クソ真面目な性分もあり、営業にとって一番の要となるトーク力と接待力を鍛えるために、積極的に合コンに参加していた。

で、その日も知り合いの代理店の人主催の3on3の合コンに参加していた。

舞台は、東銀座だけどザギン感ゼロな囲炉裏みたいなのを囲んで串に刺した魚や野菜をワイルドに喰らう炉端焼きのお店だった。

やたらと煙たかったことがいちばんの思い出だけど、あまりそーゆー目的ではなかったはずなのに、一人だけちょっと気になる女性がいた。

何故気になったのかというと、彼女もまた僕と同じように、自分のことはさておきとにかくその場のみんなを楽しませることに全力を注ぐタイプの人だったからだ。

合コンで、それまでそーゆー自分と同じタイプの人と出会ったことがなかったので、気づいたら、二人でスカイラブハリケーンでゴールネットを揺らす、くらいには意気投合していた。

そして、ゴール後のハイタッチ中に初めて彼女のことをちゃんと見たら、スタイルもよく目鼻立ちもくっきりしたその日本人離れした容姿は、当時、人気だった

キャメロン•ディアス

にちょっと似ていると思った。

まあ、その時点で、もう惚れてもうてた自分には気づいていたけど、結局、その日彼女から連絡先を聞けなかったのは、帰りのエレベーターの中で男性陣だけになったときに、幹事の男の子が今回の女性たちの容姿をからかう発言したのがきっかけだった。

そのとき、彼は、僕が気になっていた彼女のことも、唇がオバキューみたいなキャメロンディアスという意味で、

キャメロンディアQ

とあだ名していて、本心では、こいつ(自分のことは棚に上げて)ずいぶん酷いこと言うやっちゃなあと思いつつ、ついついその場のノリで

「だよね〜!」

と同調してしまったのだった。

そのことがなんだかバツが悪くて急におとなしくなってしまった僕は、何も聞けずじまいのまま都営浅草線宝町駅の小さな改札前で力無く彼女に手を振って別れたのだった。

けど、それから半年後、別の人主催の合コンで、思いがけず、その彼女と再会を果たすことができたのだった。

今度の舞台は渋谷にある照明が明るくて煙くもないちょっと小洒落た感じの居酒屋だった。

当然、彼女のことにはすぐに気づいたけど、この日は参加者が12名と多く、いつも以上に場を盛り上げるために忙しくしていた僕は、結局、彼女と一言も交わすことが出きないまま終わってしまった。

そして、みんなと一緒に渋谷駅に向かう二次会のカラオケの帰り道、確か駅前の大きな歩道橋の上だったと思う。

突然、タスキがけにしていた僕のカバンが背後からくいっと誰かに引っ張られたのだ。

驚いて僕が振り返ると、そこには

あの彼女が立っていた。

それもイタズラっぽく、めちゃくちゃ嬉しそうな笑顔を浮かべながらね。

でも、この前とは全く別の理由で(まだ付き合ってはいないかったけど気になる女性(別の合コンで知り合った年上の美人ランジェリデザイナー)がいた)僕はこのときも彼女の連絡先を聞けなかったのだけれど、もしこのときちゃんと聞けていたら、

僕は

彼女と付き合えたでしょーか?

それとも

付き合えなかったてしょーか?

(おそらく超奥手だった僕よりも)経験豊富な皆様の忌憚なきご意見をどうかお聞かせてください。

ちなみに、未練や後悔があるわけではなくて、単純にどうだったのか知りたくなっただけでゴワス。


…そういえば、当時の僕はもっぱら二次会のカラオケでタコ踊りしながら銀杏BOYZを絶叫して、女の子たちの爆笑をかっさらっていたなあ(遠い目)




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