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僕らの幸せは言葉にできることと言葉にできないことでできている

金曜日 19時過ぎ 

じっとりとした暑さのせいもあり、ヘトヘトになって家に帰る。

けど、晩ごはんがハンバーグだったおかげで割とすぐに元気を取り戻した僕(っておまえはわんぱくか)は、さぁてこれから何をしようか、と思案した。
しかし、テレビは相変わらず壊滅的につまらなかったから、僕はまだご飯を食べ終えていない息子に向って、いつもの感じでこう話しかけた。

「〇〇、スマブラやろうぜ!」

それに対して、息子は、

「お父さん、磯野、野球しようぜ!みたいな言い方になってるで」

とこれまたお約束のツッコミで応じる。

そして、彼が食べかけのお皿をダイニングテーブルからリビングのテーブルの上に移した後、この日の父と息子のスマブラ対戦の火蓋が切って落とされたのだった。

ちなみに最近、お互いなんだかんだで忙しく、おそらく1週間ぶりくらいのスマブラ対戦だったのだけど、そのせいなのか何なのか、もしくはお互いにちょっと疲れハイになっていたせいなのか、想像以上にめちゃくちゃ盛り上がった。というか、対戦中、二人ともずーっとゲラゲラ笑い転げていた。

それはお互いに「キャプテン・ファルコン」というカッコいい名前とは裏腹に完全に「変態おじさん」な見た目のキャラを選んで、かつ、彼の史上最弱な必殺技である「ファルコンパンチ」しかしちゃいけない、という謎の縛りを設けたおかげも多分にあったかもしれないけれど・・。

そして、スマブラの後は、これまた恒例の、妻を加えた家族3人による「桃鉄」でひとしきり盛り上がり、その頃には、一日を終えるのにちょうどよい時間になっていたから、最後に息子と一緒にお風呂に入ったのだった。

湯船に浸かりながら、僕は、虫が大好きな息子に向かって、

「〇〇の前世はきっと虫だったんだろうなあ」

と我ながらぼんやりとした感想を伝えた。

すると彼はきっぱりとその説を否定して、代わりにこう答えたのだった。

「僕の前世はフルーツ好きのインドの王様だから!」

「それ以外ありえないから!」

な、なんなんだ…。この予想外に強気な回答は(笑)

けれど、その一方で、まったく脈絡もへったくれもない彼のこの主張に妙な説得力を感じた僕は、笑いながら、

「確かにそうかもしれないなぁ・・・」

とうなづいていたのだった。

というのが、この日の晩に起きた出来事のうち、一応、記事に書けそうなエピソードだけれど、一方で、実はこの日は他にも、言葉にできない、というか言葉にしても仕方がないくらい本当にくだらない、でも、思い出すたびに、思わず顔がニマニマしてしまうような出来事もたくさんあったのだった。

そんなこともあって、この日、布団に入ったタイミングで僕の頭には自然と、タイトルにあるような

僕らの幸せは言葉にできることと言葉にできないことでできている

というフレーズが浮かんだのだった。

うん、確かに、幸せには、みんなに思わず話したくなるようなものと、わざわざ話すまでもないようなものの両方あるように思う。

そして、そう改めて考えると、

きっと今もこの世界にはこんな僕たちに負けず劣らず取るに足らない幸せを味わっている人たちがたくさんいるんだろうなぁ

そんな風に思えてきて、それだけですでにちょっぴり幸せな気持ちになっている自分がいるのだった。


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