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五月病に効く映画
最近、五月病ってあまり聞かなくなったから、もしかしたら死語かもしれない…。
しかし、一度、走り出したバスは止まらない。なぜなら、止まると爆弾が爆発してしまうからだ。
というわけで、今回、ご紹介する映画は、
キアヌ・リーブス主演の「スピード」
もしくは、その元ネタに当たる高倉健主演の「新幹線大爆破」
では
な〜い!
まあ、この手の手に汗握るサスペンスドラマも、五月病解消には効果的かもしれないけど。
しかし、今回、代わりに僕がお勧めしたいのは、実際に僕が入社した年の五月に観た
「バタフライキス」という
英国の監督、マイケル•ウィンターボトムのデビュー作に当たる映画である。
そして、詳しいストーリーの説明は難しい(めんどくさい)ので割愛するけど、あんまりこの手の映画に慣れてない人が見たら、割とトラウマ級の衝撃を受けるかもしれない。
少なくとも「スピード」を観に行くテンションで観に行ったら、確実に後悔するだろう。
しかし、逆に憂鬱な気分の時に見たら、
この人たちのいる世界に比べたら、自分の人生なんて、まるでハウスこども劇場並みに平和やん
と思って、気持ちが少し軽くなるかもしれない。
というか、なった。
その日、新人研修前に同期が一同に会す飲み会に参加して、予想通り、誰とも打ち解けられず、それどころか、この先、こいつらとは未来永劫仲良くなれないと悟ってしまった僕は、その場にいたたまれなくなって、1時間足らずで一人、店を飛び出し、逃げ込むように駆け込んだ映画館でこの映画を観たのだった。
そしたら、本当に
僕の今の悩みなんかまるでチンカス以下だよなあ
と思えて、さらに
共感できない他人と自分のこととかどうでもいいから、まずはこんな自分なりに出来ることを精一杯、全力で頑張ってみるか
と社会人になって初めて前向きな気持ちになっていたのだった。
そんなわけで、今まさに五月病になりかけている人には、
「バタフライキス」
おススメですよ!
ところで、僕は、あの決意をして以来、ずっとそんな風に生きてきて、いや、そんな風にしか生きてこれずに四半世紀が経った今、いいのか悪いのか分からないけれど、あのときはただただ圧倒されていただけの主人公の気持ちが少しだけ理解できるようになった気がしている。
No need to argue, anymore
本当は、彼女だけじゃなくて、誰もが、いや誰よりも僕自身が、そう願っているはずなのに、全くもって出来ていない。
でも、僕はきっと彼女のような選択はしないだろう。
だって、僕は底抜けのバカだから、絶望の底には永久に辿り着けない自信があるからだ。