見出し画像

新緑の季節

新緑の季節になった。

始めて新緑に感動したのは、大学生の時。サークルの先輩が十和田湖から八甲田までのドライブに連れて行ってくれた。
その時見た新緑の美しさと言ったら…。

山の中で育ったはずだが、こんなに美しく優しい緑があるとは、気づかなかった。ブナの木だからか。それとも、大学という新しい環境に一人で飛び込み、疲れていたからか。

新緑のトンネルは、陽の光が透けるような繊細さだった。そして、柔らかく優しく辺りを照らしていた。今でもこの時の光景が忘れられない。もう40年も前のことである。

もう一つ好きなのは、この時季、木々の下の空間まで新緑に染まることだ。時には部屋の中まで、若葉色に染まる。毎日見られるわけではなく、何かのタイミングで見られるのだ。
これをぴったり表現できる言葉があるのでは、と思うが今のところ探し当てることができていない。辺り一面が若葉色に染まる、まるで新緑の葉から若葉色の光が出ているような、そんな不思議な光景だ。

新緑の季節は短い。
あっという間に、深緑へと移っていく。


もう一度、あの新緑を見に行きたいものだ。





いいなと思ったら応援しよう!