障がい者の自立

福祉関係の仕事をしていた時に、やたらと耳にしていた「障がい者の自立」です。
何を持って自立とするのか?なかなか定義は難しいですが、単独で生活ができて、お金の心配もなく、住む場所もあるということで定義をして考えてみたいと思います。
あくまでも内容は私個人の考えですので、その辺はご了承ください。

まずは身体障害の方について。
肢体障がいの方については、義肢や義足を使用されていればほとんどの方が自立できているのではと思います。
車を運転される方もおられますし、もちろん家庭を築いておられる方も多いと思います。仕事をされている方もたくさんおられるでしょう。ある程度自分自身のハンディをカバーする物が多くあれば自立は十分可能だと言えるでしょうね。
次に視覚障がいの方ですが、車の免許は難しいとは思いますが、ガイドヘルプや外出支援といった制度を利用していけば自立した生活はできると思います。また、生活面でのスキルは盲学校でも習得されると思いますし、実際私の知っている方でも家庭を持つ方も多くおられます。仕事はやはりあんまやマッサージをされる方が多いように感じますね。
聴覚障がいの方については多くの方たちが自立されているように思います。
大企業に勤めている人もたくさんおられますし、中には弁護士や医者のかたもおられます。アクターの方もおられますし、もちろん家庭を持っている方もたくさんおられます。車の免許も一昔前はなかなか取得が難しかったものの今は殆どの方が免許を所持されています。バスの運転手といった方もおられますね。このあたりは聴者と変わらない生活ができているのではと思いますね。ただ、コミュニケーションの保証は絶対ですけどね。
重度身体障がいの方については、自立生活は厳しいと思いますが、グループホームや施設での生活、または在宅で保護者と共に生活される方が多いと思います。保護者との生活についてはいずれ限界が訪れますので、施設での生活になってしまうのかと思いますね。

知的障がいの方についてはその障がいの程度により変わってくるのではないかと思いますね。
比較的知的障がいの程度が軽い方については就労され、一人で生活されている方も多いかと思います。また結婚されている方もおられるでしょう。
中度の方についてはグループホームで世話人の元であれば一人での生活も可能だと思いますし実際そうやって生活されている方もおられると思います。
ただ、一般就労はまだハードルが高いのかなとは思います。すべてではないと思いますが、就労継続事業所に通いながら工賃を得て生活されている方が多いのかなと思います。
重度の方については、どうしても自立した生活は難しいと思います。
その方が落ち着ける環境というのは世の中少ないため、その方個人の障がいの特性に合わせた支援が必要ですからどうしても個別支援になってしまいますので、一人での生活は難しいと思います。

精神障がいの方については、これも個人個人で千差万別ですので。一概に言えませんが、投薬や通院といったことである程度症状が落ち着いていれば就労は可能だと思います。ただ、症状については波があるため一時的に症状がぶり返してしまうと会社に行けないことも多々あると思いますので、こういったことを理解できる企業が大切かなと思います。

このようにつらつらと個人的な見解を述べてみましたが、人間として生まれてきた限りはいずれ自分一人で生活したいという欲求は自然なことだと思います。大人になれば自立して仕事をしてお金を稼ぎ、好きなことや旅行をしたいという自然な欲求もあってしかりでしょう。好きな人ができればその人と一緒になりたいということも自然なことだと思います。これら自然に起きてくる欲求をなかなか叶えられない障がいの方も多くおられると思います。
でも自然な欲求を叶えられないのは社会が未成熟であることの証左だと思いますね。私達健常者も何らかのトラブルにより障がいを負うことも十分ありうる話だと思います。そうなったときにもトラブル前の生活が当たり前にできる社会が本当に成熟した社会になるのではないでしょうか。
陰鬱とした空気が現在の社会に蔓延しているように感じますが、こういった空気が変わり、どんな人も生き生きと暮らせる社会が今後は明確に求められていると強く感じています。

こんな理想を語っていても現実は難しいぞなんて言う方がおられるのも重々承知していますが、やはり理想を語らないとその理想に向かうことすらできませんよね。理想形をゴールとしてどういった順に社会の整備が必要なのか人の意識をどう変えていくのが大切なのかということを少しずつ広げていくことが重要なのではと思ったりします。
未来の日本が本当に住みやすい国になっていて欲しいなあと思いますね。

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