田舎への移住、定住

田舎への生活にあこがれて移住する人も少なからずいらっしゃるようですね。
私自身田舎生まれの田舎育ちで逆に都会に住むことは考えられませんね。
都会の団地とかの集合住宅で5年程度の期間限定で住むことは憧れでもありますが、こんな都合の良い話はないもので、ずーっと田舎住まいとしています。

また、移住者を受け入れている田舎も多いことと思います。
移住者を受け入れたものの当該移住者が結局定住せずに田舎を去ってしまうということも多くある話ですね。

移住者を求める田舎と移住を希望する人。思いは同じなのに定住できない。これはいったいどういうことでしょうか?

私個人の考察を交えながら個人的意見を述べたいと思います。
一つは移住希望者がその田舎に住んでみたが、「思っていたのと違う」というのが一番の理由ではないでしょうか?
豊かな自然、のんびりした人間関係、静かな環境、緑に囲まれた生活というのを思い描いて移住したが、「理想との違い」に愕然として結局辞めてしまうというのが現実ではないでしょうか。

受け入れる田舎でもいざ移住者を受け入れてみたが、やはり「なんか違う」と思うんでしょうね。
もっと地域の活性化のために動いてくれると期待したが、住民に求めることが多い、個人では十分に動いてくれないといったことでしょうね。

そこで不足しているのは「情報」ではないかと私は思うんです。
その「情報」というのは移住者、受け入れる田舎両方にとっても不十分な「情報」により「違う」となってしまうのではないでしょうかね。

私自身これらを解消するのに以下の通り提言したいと思います。
まず、移住者に向けて移住する場所の情報を細かく提供することが大切だと思います。それは環境、人、地域といったことですね。
つまり、移住開始から5年単位、10年単位で、そこに生活することが描けるような情報を提供することではないかと思うんです。
まず環境についてですが、そこの地域は山林が多いのか田畑が多いのか?住宅にできる土地の状況はどうなのか?また春夏秋冬の四季の環境情報も必要ですね。たとえば夏は比較的過ごしやすいが冬は半端なく寒い。具体的に夏と冬の平均気温を示すとかですね。
また、動植物に関しても必要です。大体田舎というとサル、イノシシ、鹿が多くこれら動物の食害もあるので畑を作る際にはこんな対策をしてくださいとか、教育環境として保育園、幼稚園や小中学校の位置関係、高校などはどういった高校へ通うことになるのか、スクールバスが出ているのか徒歩通学か保護者送迎が必要になるのかといったことも情報提供が必要でしょう。交通環境として近くに鉄道の駅はあるのか?無ければバスは通っているのか?
買い物はどこがあるのか?スーパーなどはあるのか?空き家を買い上げる場合と新築で家を建てる場合との違いなども情報として提供できると思いますね。たとえば空家については田舎づくりであれば大家族でも受け入れが可能とかトイレは下水道完備しているとかですね。
とにかく受け入れる田舎の現状を事細かく提供することで移住者の不安を少しでも取り除いていくことが必要だと思うんです。
あと、受け入れる側として、空き家問題もあると思います。年老いた両親が亡くなり、空き家になってしまったが、売ったり貸すこともできないという事例は多いと思います。
遺族にとってその空家が「故郷」であり「実家」であるためその思い入れが大きいということでしょうね。
でもその「思い」を尊重することにより空き家を放置することで実害をこうむるのはその地域であり、最終的にはその遺族の子孫に迷惑がかかるということですね。
「実家」扱いの遺族にとっては大切な実家でもその子どもにとっては単なる「おじいちゃんおばあちゃんち」であって「故郷」にはならないんですよね。
ですからその「おじいちゃんおばあちゃん」の子どもである遺族が高齢になって無くなってしまった後はその空家はその子どもにとっては単なる「お荷物」になってしまうということもしっかり考えなければなりませんよね。
ですから、しっかりと空き家の所有者は割り切ることも大切だと思うんですよね。「空き家」は放置すれば危険な建物になりますが、借家として貸し出せば「財産」にもなります。こういったことをしっかりと空き家所有者に考えてもらうことが大切だと思うんですよね。
また、お墓や仏壇の問題もありますが、それは地域のお寺に相談することが大切だと思います。有効な解決策を提供してくれるかもしれません。

もし「故郷」に夏や正月に帰りたいんや。だから家が必要と考える人もいるかもしれません。こういったニーズに関しては、地域が短期間住むことができる「家」を作って(空き家の活用でも良いですし、集会所を改築しても良いのでは)それを受け入れ宿として提供する。普段は体験移住住宅として使用するといったことも必要ですね。
こういった取り組みが必要なのではないかと思うわけですよ。
もちろんこういった取り組みは個人ベースでは無理ですので、やはり地域住民と行政が協力し合って取り組むべきだと思いますが、いかがでしょうか?

田舎は何年かのちに消滅するという危惧が出されましたね。
平成の大合併により消滅危惧市町に上げられなかった市町もありますが、大合併にうずもれた消滅危惧集落はそれこそかなりの数になるのではと思います。
大都市一極集中を避けるためにも移住が移住者にとってそこの地域にとってウィンウィンになるような施策が必要な時ではないでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?