手話のススメ

手話通訳士としてまたコーダとして手話とは切っても切れない人生を送ってきました。
手話は日常的に目にする言語でありましたが、実際手話を身に付け始めたのは成人を過ぎてからの事。
とはいえ、手話通訳士の資格については通常の方よりも早く取得できたのではないかと思います。
コーダであるが故のものでしょうね。

さて、かように手話を常に間近で見てきて、また手話通訳士として活動してきて実感してきたことを書きたいなと思います。

手話は「目で見る言葉」なんですよね。
私達聴者は言葉を耳で聞いて自然にいつの間にやら日本語をしゃべっていますよね。
そして国語として日本語を学び、他人とのコミュニケーションを言葉でとります。
その時は左脳を使っていると言われていますよね。左脳は言語脳と言われています。
ですから、左脳で考え左脳で相手のことばを処理しているというのが聴者の脳の特徴だと言われていますよね。

そして右脳については芸術脳と言われるように言葉とは違い感情や想像力などをつかさどる脳だと言われていますよね。
右脳は左脳と比べてあまり活用されていないと言われています。
日常のコミュニケーションでは左脳を中心に学習も左脳を使っているためなかなか右脳を使う機会がないといわれていますね。
ですから右脳の可能性はもっと大きいともいわれています。右脳をフル活用するともっと人間の潜在能力が発揮できるとか。。。
とすると右脳をもっと活用したいと考える人も多いのではないでしょうか。

そこで私の提案ですが、右脳を活用するのに手話はなかなか良いぞ!ということです。
手話は先に述べたように目で見る言葉です。
手話は日本語とは違う文法であり、日本語とは違う体系を持っています。
それは目で見る言葉だからですね。目で見たことを手や表情や体を使って相手に伝えるのが手話です。
手話を使用しているときに脳みその中では言葉ではなくその景色や状態があってその脳みそ内の景色を手や表情の目で見える形で表して相手に伝えるという作業ですね。
まあ感情などは表情や手話の強弱などで伝えるのですが、とにかく描写的な表現手段なんですよね。
ということは手話を使う際には右脳を最大に活用しているのではないかというのが私の理屈なんです。
手話には日本語は介在しません。とにかく写実的なんです。ですから右脳をフル回転させることが手話の上達の道でもあるわけですね。
ですから、認知症の予防としても手話は大いに期待が持てるのではないかということですよ。

以前高齢のろう者から「ろう者に認知症はいない」と言われたことがあります。
実際問題としては認知症の方もいらっしゃるとは思いますが、発症割合は聴者に比べて少ないのかもしれません。
右脳を使う手話を駆使するろう者だからだこその事だと言えるのではないでしょうか。

そういう観点でも手話を身に付けるというのはおススメできるというのが私の個人的な意見です。

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