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カメラに求めるもの

散歩が好きだ。
ラジオを聴きながら涼しくなった夜の街を散歩するのもいいし、カメラを持って朝や夕方の光と戯れるのも楽しい。最近はラジオを聞く頻度が少なくなっているので、必然的にカメラを持ち歩いての散歩が多くなっている。
今日は朝と夕の2回散歩に出かけた。いずれも日が斜めに入射する時間に出かけたので、陰影を楽しみながらの散歩となった。

カメラ界隈の SNSを見ると、メーカーがどうとかセンサーサイズがどうとか不毛な議論で溢れている。カメラ系の情報サイトではAFがどうとか連写がどうとか、カメラに対して一体何を求めているのか全く分からないコメントが多く見られる。カメラを始めた当初は僕もそのようなことを考えており、フルサイズ至上主義だった。センサーサイズの小さいカメラはスマホに代替されるだろうし、使う意味がないと考えていた。
当時は風景写真を撮っており、日常的にカメラを持ち出すということはしていなかった。繊細な表現をするためにもフルサイズの利点は大いにあり、それに関しては今でも同意見である。しかし、風景写真に重きを置かず、スナップ中心となった今では、上記のような議論に一切の関心を持たなくなった。

スナップが中心となったのは、カメラを始める前からもともと散歩が好きだったことが影響している。長時間歩くことに抵抗がなかった。カメラを購入したのもスマホで写真を撮る際に外が明るいと画面が見えないため、光を遮断できるファインダーが欲しいと思ったからである。
しかしいざカメラを手にしてみると広大な風景ばかりが目に飛び込んできて、肝心の散歩用の写真撮影には一切使わなかった。やはり大きいしなにより周りの目が気になる。明らかに写真を撮っていることが分かってしまう。そんなわけでしばらくは散歩とカメラは切り離された存在だったのだが、コンデジとの出会いが両者を結び合わせてくれた。


散歩する際に大事なのは所持品の少なさである。手ぶらが一番であり、ミラーレス一眼なんて一々持っていられない。コンデジの小ささは散歩する際の大きなメリットとなる。そして小さを最優先するならばセンサーサイズなんていうのも二の次となる。だいたいスナップにおいては繊細な表現なんていうのは毎回求めるものではない。速射性があり、周りから目立たないことが一番となる。そこに気付いてから今までのフルサイズミラーレス一眼とはさよならすることとなった。繊細な表現をしたい時もあるのですべて手放したわけではないが、カメラ一台と単焦点と望遠ズームがそれぞれ一本だけとなった。
そのかわりレンジファインダー機が導入されたので、金銭的にはめちゃくちゃ苦しいのだが。

いずれにせよコンパクトなレンジファインダー機とコンデジのおかげて散歩が楽しい。お互い小ぶりながらもセンサーサイズの大きさを楽しむこともできる。今日撮った写真はフルサイズと2/3型センサーの2種類である。このように並べると正直違いは分からないだろう。RAW現像しているとスライダーを動かした際の変化の幅が違うため、フルサイズの偉大さを噛み締めるのだが、アウトプットしてしまえばその差はほぼ分からない。
風景写真を中心に撮影していた時期も楽しかったのだが、今では散歩することをベースにしているので気楽であり、なによりそこまでの早起きを求められないのが嬉しいポイントだ。冬の4時起きはつらいぜ。
そんなわけで僕は散歩が好きだ。小さいカメラをお供に散歩をするのが好きだ。

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