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作家 西加奈子さんの本が好き
西加奈子さんの作品が大好き。
直木賞受賞作の「サラバ!」3回は読んでいます。
「サラバ!」に登場する姉弟、「貴子」と「歩(あゆむ)」
私の子供たちも、姉と弟であるため、その関係性を重ねて読んでいました。
何度読んでも新鮮さがあり、胸を打たれます。
西加奈子さんの作品のすごいところ
読んでいて、登場人物がすぐ側にいるように感じられ、いてもたってもいられなくなります。
人間の何とも言えない感情を、言葉にできるって素晴らしい。
虚しさ、儚さ、喜び。その人物にどんどん引き込まれ、自然と涙が溢れます。
「これ私のことだ」
痛々しい登場人物と自分が重なる。
だけど、西加奈子さんが文章に、形にしてくれたことで「可哀そうな私」が浄化されたように思う。
どんな「可哀そう」な人も、否定せず、温かく包み込んでくれる。
「いいんだよ」って言ってくれているような気がする。
そんな大きな優しさが文章から伝わってきます。
夜が明ける
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ハードカバーは値段が張るので、いつもは文庫本になるのを待つのですが、
早く読みたくて読みたくて、購入しました。
ハードカバーは重厚感があり、読みやすく、また違った魅力があります。
買ってよかった。大事にしよう。
虐待、貧困、過重労働について描かれたこちらの作品。
これらのテーマで西加奈子さんが本を書く。
養護施設や貧困について長きにわたって取材されたと聞きました。
心して読まなければいけない。
わかってはいたけれど、早い段階で涙が溢れ、胸が苦しくなり、休み休み読みました。
どんなに頑張っても優しさがあっても、報われないことは、ある。
逃げ場のないどうしようもなさ。これ以上どうしろというのか。
そのような状況に置かれた子供たち、大人、決して他人事ではなく、すぐ側にある出来事。
手を差し伸べてくれる人はいるけど、それはほんのひと時。
最後は自分しかいない。辛い、悲しい。
だけど、生きていく中で、ちゃんと見ていてくれる人はいる。
自分のことのように受け止めて、向き合ってくれる人はいる。
心が穏やかになる瞬間があってよかった。
内容を思い出すだけで、目の前が涙で滲む・・・
私にできることはなんだろう。
目の前にいる人たちをたくさん愛すること。
世の中の出来事から目を背けず、関心を持ち続けること。
西加奈子さんの作品を読むと、原点に立ち返り、しっかりと地に足がつくような感覚がします。
「本」はたくさんの感情と気づきを与えてくれます。