見出し画像

なみことすずこと幸子

随分と昔ですが、実家に謎の缶詰がありました。
パッケージは無く、作った人の名前でしょうか?黒マジックで(なみこ)と書いてありました。
秋田の親戚から貰ったという缶詰。親戚の友達が旬のものを自分で缶詰にした、という情報のみ。内容物のヒントは無し。缶詰の棚を開く度に秋田の(なみ子)さんは、何を詰めたんだ?と思っていました。

数年が経ち、ついに開けようということになりまして私、母、仲良しおばちゃんたちと開封〜!

そこにはキラキラ輝く美味しそうな
(なめこ)。
なるほど、内容物は何年も前から表されていたのです。
なみ子さんが詰めた缶詰ではなく、
秋田方言をそのまま表記した
(なみこ=なめこ)でした。

母もおばちゃんたちも大笑い。
「秋田は訛ってるからね〜、なみこってなめこ〜?」
私もいっしょに笑いながら心の中では

(私たちもねーっ!)

母は県内でも違うエリア出身なので言葉が少し違いますが、おばちゃんたちと私は純粋な浜言葉。
キッチリ訛っていました。

「なめこか〜!」なんて笑っているけど、おばちゃん!私達が話していて、
お店の店頭POPにも堂々と書いている
(すずこ)
あれ、本当は(筋子)ですから。
毎日食べている漬物の
(オゴゴ)
あれ、(お香香)ですから〜。
残念っ!
なみこを笑っている場合じゃない。

まあ、なみこやすずこは笑って終われるけど、それでは済まされない場合も。

知り合いの(幸子)さん。
この方(さちこ)じゃなく、
(さつこ)さん。
成り立ちはなみこと同じです。
なにせ、名付ける人も受理する人もこぞって訛っていたから(幸子=さつこ)に疑いの余地なし。

(幸子はさつこだべや)

この幸子さんは地元を離れて、ご自身は訛っていませんでした。しかも、とってもオシャレなオバサマで、高校生だった私はそのギャップに(なんか、キツイ)と感じていました。
ご本人は意に介していなようでしたが。

さて、訛りエピソードを思い出す中で強烈なのが、お店に貼られていた(鶴紙)のPOP。
(ちり紙)→(つる紙)→(鶴紙)と変化したようですが、現物を見るまで理解できませんでした。

てなコトを書こうと思いましたが、なんと!令和の時代はちり紙自体を認識していない人たちが多いのだそうで。
驚きました。
ちり紙は、ティッシュやトイレットペーパーが販売される前に使われていた家庭用の拭き紙です。
今でも売っているみたいですが、やわやわのトイレットペーパーに甘やかされた令和のお尻にはハード過ぎるかも。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?