収入を『増やす』よりも支出を『減らす』考え方
年々欲しいものが減ってきている38歳現在であるのだが
若い頃や社会人時代は見栄やストレス発散の為に、手に入れたお金はあっという間に、それらの体験や物質へと消えていった
右から左に流れていくように、何の躊躇もなくお金を湯水のごとく使っていたのだ
実家暮らし歴が長かったのもあり、お金に対してほとんど執着はなかった
給料日を忘れていることが多かったのと、そもそも会社で上を目指すことにも興味のない社会人であった(給料を上げる為に)
結婚してしばらくは、独身時代にやってみたかった念願のアパレルの販売員へパートとして挑戦してみた。その関係で、洋服を社割で購入しなければならなかった
しかし社割とはいえ、主婦が毎月1万程の洋服代をアパレルブランドの為に支払っている
洋服代に1万円を使うというのは、独身貴族ならまだしも、主婦としては贅沢な使い道である
会社で働きながらも、月々の販売売上に貢献していたのだ
洋服代だけでなく販売員として、お客様に商品の良さを魅せていく為に、自分自身も着飾らなくてはならない
ヘアスタイルやメイク、小物などを駆使して、会社の洋服を着た自分を『商品』として魅力的に売っていく過程だ
売上が出せれば嬉しかったし、やりがいに繋がったが、自分の給料には全く反映されていない
全て自分の行いは『会社の利益』の為なのだ
仕事自体は楽しく、職場の人間関係や会社の洋服を気に入って下さるお客様との関係は良好であった
おそらく私は『お金』(給料)の為に働いていなかった
あの頃は『仕事』そのものを楽しんでいたのだ
その後、人事異動により副店長が変わったことで、職場の雰囲気に影が差し、従業員の士気を下げることとなった
しばらくして、私ともう1人のパートさんはその職場を後にすることとなる
これ以上勤めていても、以前のように『楽しさを感じられない』職場だと思えたからだ
新しい副店長は利益主義で、接客嫌いな人であった
接客は私たちパートやアルバイトに任せ、自分はバックヤードで休みつつ、在庫整理やパソコン作業を飽きもせずにしていたのだ
従業員同士で談笑する時間はほぼ無くなった
心は使わずに、『省エネモード』の働き方で生きている人だった
ほとんど笑わず、お客様の前だけ営業スマイル、私たち従業員の苦手作業を見つけては咎める、人を褒める事は皆無という毎日を過ごしていた
上の地位に登り詰める人ほど、心が荒んでいる様子が分かる
自己保身の為に、他者を犠牲にしてでもその場所に居座ろうとする
職場のメンバーと自分とを切り離し、1人孤高の人生を歩んでいる
誰からも好かれず、信頼されずとも、平然と過ごしているのだが、気の毒だとは到底思えない
従業員に対しての態度が、そのような現実を生み出しているのだから、本人がその状態を心地よいと思うのであれば、そのままでいいのだろう
このような生き方の人は、アクセサリーを装着した自分に満足している
『自分』という実態は薄れていて、目に見える『地位』や『ブランド品』、自分さえ居心地がよければOKといった、『利己主義』(エゴの自分)を追求している
お金や人脈は自分のことばかりを考える人のところには、中々やってこない
日頃の行いからその人の『人間性』は評価されている
たとえ一時的に業績を上げられたとしても、その状態を何年もキープし続けていくことは、個人の努力だけでは難しい
周囲と協力できている人のところに人は集まり、同じ目標(売上)を志す中で、個々の能力を発揮できるようになっていく
各々が能力を駆使し、皆で一丸となって売上に貢献することで、店の売上は安定していくものだ
結局私たちが店を辞めた後、2年ほどで(店長も別の人に変わり、売上が悪化)その店は閉店となった
お金や人脈は多ければ多いほど、出ていくもの(去っていく)も増えていくのだろう
お金・人脈とも『適量で充分』と捉えていれば、ちょうど良い塩梅で生活できる
仕事が楽しく(職場環境も良い)、心が充実していれば、ストレスが溜まることは少ない
よって、収入も即座に支出へと流れる事は少なくなるのだ(お金の使い道すら考えなくなってくる)
『心の平穏』を保てるかどうかが、支出を減らす近道である
収入を増やそうと粋がるよりも、周りとの関係性を良好にして働くことで、心身の安定(充実)を保てる
その行いが結果的に『無駄な支出を減らす』事に繋がるのだ
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