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#45 湖畔に佇む山小屋で

2024年9月7日。
京都市街から途中越を経由して、琵琶湖大橋を湖西から湖東へと横断する。
キラキラと輝く琵琶湖を左手に、さざなみ街道を北上し、『かねふく めんたいパーク琵琶湖』や『マイアミ浜オートキャンプ場』を尻目に彦根方面へと車を走らせる。
琵琶湖と西の湖を結ぶ水路に架かる長命寺橋を渡ると、平素なら道なりにスイカの産地として有名な大中町方面に向かうところだが、この日は違う。橋を渡ると道を左に折れ、滋賀県道25号彦根近江八幡線に進路をとった。

周囲は近江八幡市の長閑な田園風景だが、その長閑さとは裏腹に交通量は多く、輸送トラックも頻繁に行き来している。
しかしこの彦根近江八幡線に入ると長命寺の参拝口を過ぎたあたりで雰囲気がガラリと変わる。
まるで長命寺のある津田山や奥津山が俗世を遮断しているかのようで日常の喧噪とは全く無縁の世界があった。
「長命寺の裏側にこんな道があったなんて」
ハンドルを握りながら驚きが隠せない。
ガードレールを跨げば目の前はすぐ湖面。湖との距離が近づき、湖水との親密度が一層高まってくる。

そうこうしているうちに道沿いにぽつりぽつりと桜の木が増えてくる。
桜並木になり道幅が広がった先はとあるお店の駐車場。
さて、お待たせいたしました。
本日の目的地湖畔のカフェ『シャーレ水ヶ浜』に到着である。

『水ヶ浜chalet』と書かれた駐車場の看板
外観
少し離れた場所から

chalet(シャーレ)とはフランス語で山小屋の意。
まさにフランス、スイス、イタリアあたりに建っていそうな山小屋が急に琵琶湖の畔に現れる。

木の温もり溢れるログハウスは琵琶湖に迫り出すようにして建っている。
店内の『シャーレ水ヶ浜の足跡』というお店の歴史を記録した額縁写真を見てみると、1962年頃元々はキャンプ場のとしてこの地で開業されたようで、売店やテニスコートがある立派な施設だったことが窺える。
1981年からカフェとして営業を開始されるが、当時から海辺のテラスが素敵なカフェであることは変わりないが、外観と内装が今のものとは違う。
1997年にリニューアルオープンとあるので、この時に今の形に落ち着いたのだと思う。
リニューアルされてからもおそらくログハウスやテラス、お庭に少しずつ手を入れ続けているに違いない。
崖下の浜辺に降りる階段や物置小屋。植えられている植物、石積みや杭の1本1本まで長い年月を経て計算し尽くされた営みのようなものが見てとれる。
私のような『あつまれ どうぶつの森』でおままごとをするのが楽しかった者には堪らない。立体的で歩くだけで楽しい造園に心踊る。

あーもう堪らん
DIYも素敵
店内の様子
テラス席の様子

この日も35度を超える猛暑日だったが、席は空調の効いた店内ではなく開放的なテラス席を選んだ。

目の前に広がる琵琶湖を眺める。対岸の比良山系まで見渡すことができる。
緩やかに風が吹く。
夏も終わりだが、今年初めてミンミンゼミとツクツクボウシがセッションしているのを聞いた。

水平線と比良山系。
夕陽が山に沈んでいく時間帯も
きっと素晴らしい眺望に違いない
抹茶のモンブランとアイスカフェオレ
ドライカレーセットとアイスコーヒー

食後にログハウスの傍から崖下の浜辺に降りる。
アヒルの一家が水辺で昼寝をしていた。

そうだよね、暑いよね。木陰で休むアヒルたち

時間があれば久しぶりに『ラ コリーナ近江八幡』に寄るところだが、夕方から歯科の予約を入れていたので、蜻蛉返り。
季節や時間を変えてまた訪れたい。何度訪れても飽きが来ないそんな素敵な湖岸のカフェでした。

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