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#48 10月の3連休の記録

遅ればせながら、10月の三連休の記録です。

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2024年10月12日。
東京都民から京都府民になって10年以上経つが、その間京都最北端の地『経ヶ岬』に行ったことがないことがずっと気掛かりだった。

「京都に住んではるのに、経ヶ岬も知らはらへんなんて、あンさん、モグリと違わしまへんか」
(東男がイメージする京都弁)

市田ひろみさんと大原千鶴さんを足して2で割ったような『ザ・京都和装女性』にそう耳元で囁かれているような居心地の悪さが常々あった。
最近ではテレビの天気予報で「経ヶ岬沖の海面の高さは……」という沿岸波浪予想のくだりを聞くと、無性にソワソワするようになった。
知らぬ間に経ヶ岬に一度も訪れたことがないのがコンプレックスになり、脆弱で小心な私の心は、知らず知らずのうちに蝕まれていたようだ。

よーし、長年燻っているこのコンプレックスを解き放ちスッキリしようではないか!
経ヶ岬といえば、やはり白亜の灯台である。あの灯台の下まで行って「ここが京都の最北端ぜよ」と広大な日本海見渡したい。
日本海の潮風を浴びて首元に亡霊のようにへばり付く、ザ・和装京都女性に成仏して頂こう——そう思いついたのは、前日の金曜日のお昼休みだった。

ざっくり地図

今までも京都の北部に行く機会は何度もあった。
ただ、毎回同じ京都府下だからと宿を取らずに出かけるものだから、手前の天橋立や伊根町、久美浜湾いった所を観光していると、どっぷり日が暮れており、その先の経ヶ岬まで辿り着くことなく泣く泣く折り返すことになった。
そりゃそうだ。一括りに京都と近いつもりでも、約140kmも離れているのだ。
京都北部は日帰りではなく、宿をとって海岸沿いをのんびり走るような旅が相応しいのだ。

しかし前日に衝動的に経ヶ岬行きを思い立ったので、残念ながら納得がいく宿は見つけられず……、結局は今回も日帰りである。
ただ行き先を京丹後の『立岩』と『経ヶ岬』に絞ったから今回ばかりは経ヶ岬に辿り着けるだろう。数多ある手前の観光スポットには目もくれず、ただただ最北端にある灯台を目指すストロングスタイルを標榜することにした。

京都市を午前11時に出発。
流石に灯台に行く目的だけで高速を使ってはるばる最北端を目指すのは勿体無いという貧乏根性から、経ヶ岬に近い景勝地を検索した時に真っ先に出てきたのが立岩だった。
立岩と経ヶ岬の距離は約15km。
まさに抱き合わせるのにおあつらえ向きな距離感だ。

立岩には14時過ぎに着いた。
立岩は経ヶ岬灯台を向かう途中の海岸に聳える高さが20メートルもある巨大な一枚岩だ。

立岩
岩肌近影

「立岩」には、聖徳太子の生母であり、第31代・用明天皇の第三皇子麿子親王が鰾古・軽足・土車という3匹の鬼を退治した際、土車をみせしめのため、この大岩に封じ込めたと言い伝えられています。今でも強風、波の高い夜などは、鬼の泣声が聞こえるといわれています。

『海の京都観光圏』より

バックの日本海と岩に打ちつける波濤の迫力がそう見せるのだろうか。確かに鬼が一匹封じ込められているような凄みがありました。
また手前側の河口に、立岩と空を鏡面撮影できるスポットがあるので写真好きの人にはかなりおすすめです。

様々な角度から立岩を眺めていると、遠い視線の先、半島のように迫り出した丘の上に何やら人が集まってるのが見えた。
気になって丘を登ってみると、史跡のようなものがあった。
『大成古墳群』というらしい。海岸段丘上に18基の古墳が分布している。
丘からは立岩を見下ろすこともでき、また反対側には犬ヶ岬を望むこともできた。

大成8号墳
遠くに小さく三角に見えるのは
犬ヶ岬(多分)

爽やかな風が吹き抜ける丘の上では、ウエディングフォトを撮りに外国人のカップルがカメラマンとスタイリストを従えてロケーションフォト撮っていた。さぞ良い写真が撮れただろうなと思う。私ももう20歳ほど若ければ、ドローンを駆使してカップルで動画や写真を撮ってみたいと思ったかもしれない。

お次はメインイベントの経ヶ岬灯台。経ヶ岬へは近くに駐車場があるので停めさせていただき、そこから山歩きが始まる。
登山口にご自由にお使い下さいと、地元の小学生が工作してくれた杖が置かれていたので遠慮なく使わせていただいた。
駐車場から灯台までの直線距離は大したことないが、結構な階段が続くので本当に助かった。
ヒーヒー言いながら休憩を入れつつ約25分ほど山道を登り、ついに白亜の灯台にたどり着いた。

手前の立札の文字を読ませようと
補正をしたら残念な色調に
白亜の灯台。到着は16時
明治31年12月25日初点灯

灯台に着いて穏やかな日本海を眺めたら、本当に憑き物が取れたように気持ちが軽くなった。
これでもう、ザ・和装京都女性に怯える日々とおさらばだ。

身が軽くなった私は、ついでに経ヶ岬山頂展望台を目指した。
山頂からみる景色も素晴らしかった。袖志の棚田や浦々を見渡すことが出来た。

山頂展望台からの眺め

目的を果たしたので、帰りはゆっくり伊根町に寄った。

道の駅 舟屋の里伊根からの眺め
時刻は18時前
舟屋たち
舟屋街を散歩
散歩
散歩
散歩
どっぷりと日が暮れました

***

10月13日。
既に14時を回っていたが晴れていたので京都歴彩館で開催されていた『下鴨中通ブックフェア2024』に出掛けた。
20数件ほどあるテントを一周すると気になる本を一冊見つけた。衝動買いしそうになったが、深呼吸をして購入を思い止まる。
念の為に図書館の蔵書を検索してみたら、近所の図書館に置いてあることが分かった。よぉし、明日借りに行こう。

日暮まで時間があったので鴨川でチェアリングすることにした。

おはビス看板

そうと決まれば急におやつが欲しくなり、以前から散歩の道中で気になっていた『OHAYO biscuit』でさつまいものチーズタルトとカラメルりんごとレモンサブレを本を買わずに浮いた金で購入。なんだか得した気分。

『OHAYO biscuit』から鴨川へ向かう途中、京都御所横断し梨木神社に寄る。
今年の萩まつり(9月21〜23日)は猛暑のせいか全く萩が咲いてなかったのでダメになったのかと心配していたが、この日に寄ってみるとようやく花を付けていた。

約3週間遅れでようやく咲きました
至る所に短冊が吊るされています

元気な萩の姿に安堵し、ローソンでコーヒー買って鴨川へ。

ご馳走様でした。美味かった

おやつを食べて小一時間ほど行き交う人々や犬を観察していたら、半袖では少し肌寒くなってきたので帰ることにしました。
日の入り時間が早まったことを実感。淋しいですな。

***

10月14日。
前日に購入しかけたものの思い止まった本『京都で考えた(吉田篤弘)』を借りに図書館へ。
ついでに郷土とかそんな感じの同じエリアにあった『京都ごはん日記(いしいしんじ)』も借りる。
どちらもタイトルに『京都』が入った本で、気楽に読めるエッセイだ。

やり残した会社の仕事をしに図書館で借りた本2冊と椅子を携えて鴨川縁へ。他にやることないんかい。2日連続のチェアリング。
気候がいいからか、昨日に続き鴨川縁には大勢の人や犬がいる。
賑やかな川縁で読書と仕事を交互にやっつける。

結局は本ばかり読んでいた気がする

この時点では私にしてみればまだ残暑が色濃く残っていた。はっきり言ってまだ夏でしょ。秋はまだ?

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さて明日から11月。半袖から長袖に衣替えしようか考え中。辺りを見回すと皆さんとっくに上着を羽織ってらっしゃる。デスクワークのくせに半袖で首元にタオルを巻いているのは私くらいである。
今年も秋を堪能せぬまま冬に突入してしまうのだろうか。

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